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2006(平成18)年度事業計画

1.はじめに

21世紀初頭の社会状況と追手門学院建学の精神

21世紀初頭の社会状況は、知識主導社会、人口減少社会、循環型社会、多元文化社会等、どれ一つをとっても計り知れないインパクトをもつ社会変容要因が同時並行的に生起、進行しており、社会は流動的で複雑化した不透明な時代に入っている。特に世界史に例を見ないスピードで進行している少子高齢化、膨大な公的債務負担等、きわめて困難な状況の中にあって、社会の活性化、持続的発展の原動力として活力ある若者の育成が日本社会の最優先課題と言っても過言ではない。その課題の担い手としての教育機関の社会的責任はこの上もなく重い。

追手門学院は、「独立自彊」を建学の精神としている。それは、現代流に言えば「自ら勉め励む」、「自己の成長が全体の成長を促す気概」である。「個の確立」の重要性が昇揚される今日において、本学院の建学の精神は、まさに時空を超えた社会の指導理念として、一層の輝きを増しているといえよう。

教育改革と経営改革

私学の存続をかけた競争の熾烈化は加速度を増し、学校の淘汰が進行している。進学適齢人口のさらなる減少、大手学校の総合学園化、教育の自由化による海外学校の参入と生徒・学生の海外流出、専門学校の高度化、株式会社による学校設立、経常費補助金の削減等、私学を取り巻く社会経済環境は厳しさを増す一方である。かかる状況の中で、追手門学院は教育改革、業務改革、財政改革、人事給与改革、経営システム改革を推進し、信頼される学校づくり、学院づくりを目指してきた。本学院では、高い学力を育て、豊かな個性を磨き、社会力(豊かな社会性)・行動力を鍛え、「進取の気概に溢れた」たくましい若者を世に送り出すとともに、「120年の伝統と文化に根ざした高い品格を保つ」追手門学院の学風の確立に勉めている。「伝統を深め未来を拓く」追手門学院のたゆまざる挑戦の姿を社会に認知していただくため120周年記念事業を展開中である。2006(平成18)年度における具体的展開の内容については、各校の事業計画の概要に示した。追手門学院は今後も、建学の精神に則り、個性輝く学院づくりに取り組んで参りたい。

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2.事業計画の策定に当たって

予算会議

2006(平成18)年度事業計画の策定に当たっては常任理事会の統轄のもとで予算会議(学院長、常務理事、法人事務局長、法人事務局次長、財務課長、管財課長)を編成し、各学校・部門から提出された事業計画・予算案を、事業の優先度・必要性と消費収支状況等を見据え、全体的に抑制的ではあるが、費用対効果を慎重に審査し、重点的予算編成に努めた。各学校・園との調整を経て、校長会、全学院部局長会、大学部局長会、大学評議会での了承を得て、事業計画・予算案の策定作業を終えた。

本学院の収入は、学生・生徒等納付金への依存率が高い(2006(平成18)年度予算案では対帰属収入比76.5%)。資産運用をはじめ学費以外でも収入確保の努力を続けているが、経常費補助金の抑制傾向、進学適齢人口の減少と私立学校の置かれた状況は非常に厳しい。学院全体として、2006(平成 18)年度の帰属収入は、昨年度に比べて若干増となる見通しではあるが、キャンパス整備計画に基づく校舎建替等による基本金の組入増や改革推進経費が増えることから、収支の圧迫となるため、今後も収入の確保、支出の抑制に努めなければならない。

予算会議では「募集力の強化、教育力の強化が最大の財政政策」であることを認識し、教育指導体制の強化策・改善策については予算措置の優先度を高めた。

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ゼロベース予算

このような厳しい収入状況の下で、学校経営を維持していくためには、収入の減少に見合った支出の抑制を計っていかねばならない。厳しいコスト意識をもって支出抑制に取り組む必要がある。小学校、中・高等学校、大手前中・高等学校にあっては、校舎建替の事業計画を推進する上で、財源捻出のため経常経費の削減努力が欠かせない。いずれも教育研究水準や学生・生徒・児童へのサービス低下を招かないことが前提であるが、限られた財源の有効配分の努力を徹底させる必要があり、ゼロベース予算方式による厳しい審査を実施した。

各校・各部門から多くの事業計画が提出されたが、財政的制約の中で収支のバランスを考え、あわせて進行中の創立120周年記念事業を見据え、以下のように2006(平成18)年度事業計画をまとめた。各校の事業計画については、事業計画の概要に、予算編成については、当初予算概要に提示した。

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三原則

常任理事会は、事業計画・予算編成審査に当たっての基本原則として、三本の柱、募集力の強化「教育力」、財政基盤の確立「未来費用」、開かれた学院「社会的通用性」を建て、総合的判断により事業計画の策定に当たった。なお、この三原則は、常任理事会において学院運営の基本方針としても機能させていることを付言しておきたい。

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3.事業計画の概要

1.大学・大学院

  • (1) 教育
    • (1)心理学部(心理学科)開設(収容定員増含む)
    • (2)社会学部(社会学科)開設(収容定員増含む)
    • (3)大学院経営学研究科開設
    • (4)国際教養学部の申請準備(2007年度開設予定)
    • (5)ベンチャービジネス研究所設置
    • (6)FD活動の活性化
    • (7)副専攻の開始
    • (8)キャリア教育の拡充
    • (9)基礎学力教育の検討
  • (2) 学生生活支援
    • (1)課外活動の支援
    • (2)健康教育の充実
    • (3)奨学金制度の活性化、食堂・喫茶・購買部の活性化
  • (3)学生募集
    • (1)現行入試制度の精査・改善
    • (2)地方試験会場の再編
    • (3)入試データの分析
    • (4)広報の拡充(統一感の醸成、媒体の特性発揮、イベントとの連携)
    • (5)オープンキャンパス、キャンパス見学会の充実
    • (6)渉外活動の充実(渉外担当と各学科の連携、出張・公開授業など)
  • (4) 教職員人事
    • (1)国際教養学部の設置申請準備、各学部充実のための教員採用・補充計画
    • (2)教員評価制度の検討
  • (5)キャンパス整備
    • (1)中央棟(11層・地下1層)、6号館(2層)新築(2006年12月竣工予定)
    • (2)1号館建替および周辺整備の検討、研究棟耐震改修の検討
    • (3)宮本輝ミュージアムの充実

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2.中・高等学校

(1) 教育

中学校

  • (1)教育理念・方針に照らして、両コースの特性をより明確にする
  • (2)アカデミックコース
    • ・学習実績を上げる
  • (3)ダイナミックコース
    • ・基礎学力の定着とその発展
    • ・生活全般に対する積極性の引き出し
  • (4)英語教育の充実
    • ・ニュージーランド修学旅行等を実施する

高等学校

  • (1)総合文理コース「特別講座の充実」
  • (2)進学実績を安定化させるシステムの確立
  • (3)教育の質の向上
  • (4)英語教育の充実
    • ・海外語学研修等を実施する。

(2) 生活指導

中学校

  • (1)礼儀正しく、元気な生活姿勢の確立
    • ・指導の計画性と組織化
    • ・生徒との関わりを深める。
    • ・問題事項に対して、機敏に対応する体制づくり

高等学校

  • (1)生活規律の確立
    • 「生徒個々の夢を実現する為に、努力が報われ互いが誇れる生徒集団づくりを目指す」
    • ・登校指導を継続する。
    • ・遅刻をしない生活姿勢の確立
    • ・校則違反は厳しく温かく指導する

(3) 生徒募集

中学校

  • (1)塾対象説明会の充実
    • ・受験生の最大の送り手である塾ヘアピールができる教育実践や進学実績につなげる。
    • ・追手門学院小学校・私立小学校(大阪・京都・兵庫)との連携強化
    • ・学校見学会の開催
  • (2)公立小学生への広報活動
    • ・オープンスクールや学校見学会の案内や参加呼びかけ
    • ・近隣小学校との交流(文化祭の開放など)
    • ・大手塾発行の雑誌への広告掲載
    • ・新聞広告(サンケイリビング等)など、広報活動の活性化

高等学校

  • (1)大阪市内・他府県からの志願者の確保
  • (2)夏のオープンスクールの印象が受験校決定の大きな要因であるので、リーフレットの配布、地域の選定やイベント内容の吟味を進める。

(4) 教職員人事

  • (1)相談室の設置
    • ・生徒、保護者等から寄せられるさまざまな相談の窓口を設ける。

(5) キャンパス整備

  • (1)校舎建設計画の早期策定
    • ・建設計画のプランの作成
    • ・資金計画の目途

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3.大手前中・高等学校

(1) 教育

  • (1)正規授業を最重要視
    • ・学力の礎は正規授業にありという大原則に基づいて、授業内容の質向上、生徒の授業態度および意識を高める。
  • (2)教育目標の設定
    • ・2005年度から学年ごとに目標を設定と達成するための取り組みを発表し、その結果を分析しながら次年度へつなげていくことを2006年度も引き続き行う。
  • (3)中学課程の学習システムの構築
    • ・新中学1年が一定の成果が出たことを受けて、2006年度は中学1年~3年をまとめて、2005年度の新中学1年の学習システムを改善しながら新しいシステムを構築する。
  • (4)カリキュラムの再編成
    • ・2007年度実施を目指して、1コマ当たりの授業時間数および1週当たりの総時間数を再検討し直し、学力および志望別の講座(補習も含む)を放課後に盛り込んだ中学・高校のカリキュラムを構築
      する。

(2) 生活指導

「生徒力」の向上を目指す。「生徒力」とは”生徒たちが秘めているさまざまな力”のことで有り、 それを引っ張り上げていくことを目標とする。その中で(1)マナー向上、(2)服装指導、(3)遅刻指導 を中心に教員一丸となり、同じ視点、同じ視野で指導を行う。

(3) 生徒募集

  • (1)中学入試
    • ・40名4クラス―160名の確保、近畿統一入試への対応強化、塾・私立小学枚への広報力の強化、教 育成果の提示
  • (2)高校入試
    • ・専願のみならず併願入試も実施、塾・中学校への広報カの強化、大学進学実績の向上

(4) 教職員人事

専任教員と常勤講師の総数を年次計画で検討する。中学募集の160名超を実現する中で、子どもを しっかりと見る目を増やすことが重要と考え、非常勤講師を減らしつつ常勤講師の増を検討する。ま た、担任力および校務分掌力がない専任教員の給与を検討する。

(5) キャンパス整備

第1期キャンパス整備開始
・仮設校舎建設 工期:2006年2月13日~4月27日
・南館一部改修工事 2006年4月から開始
・既設校舎解体 2006年5月から開始
・埋蔵文化財調査 2006年10月から開始
・本建設工事 2006年8月から開始(18カ月想定)
2008年3月竣工(予定)

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4.小学校

(1) 教育

  • (1)「教育の質の向上」を主眼に置き、よりキメの細かい教育の実践を目標とする。
  • (2)新しい追小教育の構築
  • (3)教育相談の充実

(2) 安全教育

  • (1)「児童の安全確保」を第一にこれからも児童・保護者が安心できる教育環境を構築する。
  • (2)セキュリティーの充実
  • (3)保護者ICカードの導入

(3) 児童募集

  • (1)入学者152名(1クラス38名・4クラス)
  • (2)幼稚園での授業取り組みを小学校授業で活かすために幼稚園を見学する。
  • (3)入試説明会の充実
  • (4)入学者の卒園した幼稚園の先生を対象に学校見学会を実施する。

(4) 教職員人事

  • (1)退職者の後任補充として、新規採用を実施する。
  • (2)中学教員による小学校授業の実施により、中・小の連携を図る。

(5) キャンパス整備

(1)第4期工事 西館の建設を目指し、具体的内容の検討に入る。

(6) 教員研修の充実

  • (1)研修計画の作成とその実践
  • (2)日本私立小学校の教員研修に積極的に参加し、運営に寄与する。

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5.幼稚園

(1) 教育

  • (1)本園教育方針の深化を図る。人間の基礎・基本における「変わざるもの」と「変えるべきもの」の
      見極めに重点をおく。
  • (2)新規
    • ・体操・音楽リズムの専門指導者を置き、教育の充実を図る
    • ・年中・年長組のパソコン教育を、より充実させる(追大との連携)。
  • (3)カリキュラムの見直しと再構築

(2) 生活指導

  • (1)基本理念
    • 幼児にとっての「学力」とは「自らの生活力」を指す。
  • (2)重点目標
    • ・「朝の挨拶(前向き)」「ハイと返事(呼応)」
    • ・「靴を揃える・立つとき、椅子を入れる(自律)」
  • (3)就学前教育
    • ・どの小学校に進学しても適応できるように指導する。
    • ・小1プロブレムに対応することと、幼小教育のスムーズな接続を図る。

(3) 園児募集

  • (1)多様化する保護者のニーズヘの対応
    • ・預かり保育の充実・長期休暇中の実施
  • (2)PTA運営の改革
    • ・保護者の物心両面の大きな負担を大幅に軽減させ、活動目標を「子どもたちのため」に定める。
  • (3)園の意思・教育的意図などの情報発信に力を入れる。
  • (4)入園説明会を複数回開催する。

(4) 教職員人事

(1)専任教諭1名・臨時教員4名を採用し、クラス担任から補助教員をなくす。

(5) キャンパス整備

  • (1)園庭の整備
    • ・遊具の整備
    • 特にアスレチックなど、体育系遊具を更新する。
    • ・収納設備の整備
    • スクーター、三輪車などの遊具置き場を整備する。
    • 行事で使用する用品などの収納設備を設置する。

(6) その他

  • (1)園庭放送設備の整備
    • ・2005年度に幼稚園教育設備振興募金により購入した機器を、日常的に使用できるよう、配線、取 り付けをする。
  • (2)保育用品の整備
    • ・上記募金を原資に保育用品の新規購入、更新をする。

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