現代社会文化研究科

現代社会学専攻(修士課程)

◆色々な問題を、さまざまな角度から

社会学は人間社会に出現するあらゆる事象をその研究対象としています。そのため、社会学は間口が広く、扱うテーマはきわめて多岐にわたってい ます。ひとくちに「社会」といっても、家族や身近な仲間といった小さな社会から、地域や組織や世代、さらに民族や国家などの大きな社会まで、さまざまなものが考えられ、そのいずれもが社会学の研究対象となります。したがって、社会学においては「何でもありだ」という言い方もできます。その「何でもあり」といった幅の広さ、柔軟さを取り込んで、社会学は常に活気を持った学問として存在してきました。2019年度より本専攻は、これまでの社会学の専門性や多様性に加え、「地域づくり」「地域政策」にまで領域を広げ、それらを専門的・体系的に学べるように整備しました。個々人が自らの知的関心に基づいて、その研究対象に自由にアプローチできるのが、本専攻の大きな特質です。

◆現代社会のダイナミズムに挑む

本専攻は、急激に変動する現代社会の構造を分析し、そこに現れる諸問題を解明することを、研究・教育の理念として1975年に開設されました。私たち現代人は、産業の多様化、テクノロジーの発達、都市化、情報化といった複雑で、変化の激しい世界に生きています。とくに現代の日本社会は、ポスト近代社会と言われ、豊かな社会に特有の格差や貧困、グローバル化、少子高齢化といった多くの現代的問題に直面し、常に新しい現象を経験しています。社会学や地域創造学という学問は、優れて同時代的であり、それが果たす学問的役割は今日、ますます大きくなっているといえるでしょう。本専攻では、まず何よりも「現代」というものに焦点をあてて、理論と実証の両面からはもちろん実践面でも、現代社会における諸問題にアプローチすることを研究・教育の目標としています。 また、社会学的・地域創造学的研究のプロセスにおいては、当然専門的知識や方法を理解・修得することが求められますが、既存の知識と方法を学ぶだけでは、多様性に満ちた現代社会を深く分析することはできません。現代を主体的に生きる人間として、自己の実体験や人生のあり方と結びつけながら問題を考察し、個々人の独自の発想を理論構築や政策立案へと発展させていくことが、本専攻の教育指導の大きな目標です。

◆現代社会の特性をとらえるカリキュラム編成

本専攻の基礎となる専攻共通科目には、現代社会学の原理を学ぶ「現代社会学総論」と、実証性を重んじる専攻ならではの「社会調査法演習」があります。これらをベースに、個々の関心にしたがって、現代社会と地域創造という2つのコースの専攻科目を受講していきます。現代社会コースは、人間と人間の関係を探究する社会学を軸に、社会的存在としての私たちが 今どうしてこのように生きなければならないのかという現代性を究明します。この問いに導かれながら、標準的な社会学の理論―実証、基礎―応用の全領域を網羅しながらも、流動化する現代社会をとらえる挑戦的かつ説得力ある論理を紡ぎだせる人材を育成します。また、地域創造コースは、人口減少が進む「縮小するニッポン」のなかで “どのように持続的な地域社会を創造するのか”という現代社会の諸課題に取り組みます。そのために、主に地域創造学および観光学という観点から、地域の文化資源、地域コミュニティ、観光まちづくりといった実践志向の専門科目を通じて、地域イノベーションを担う人材を養成します。

◆自由で活気のある学問環境

本専攻で指導にあたる教員は、さまざまな研究領域で優れた業績をあげています。また、これらの教員たちはそれぞれ個性的であり、教員同士が、学問やライフスタイルや具体的な問題現象に関して、活発に議論しあっており、本専攻は自由で活気のある学問環境を持っていると自負しています。本専攻の講義や演習はいずれも2 ~ 3名の少人数で、丁寧な教育指導が行われています。修士論文を指導する教員を選ぶ際にも、院生の関心や個 性を充分に尊重して決定することにしています。指導の場においては、院生たちとのコミュニケーションを重視し、常に活発な議論を行っています。院生と教員が、自由に交流しあい、刺激しあって、みながともに成長していけることを常に考えています。このような学問環境は、日本の社会学において斬新かつユニークでありつづけた追大社会学の伝統とも言えるでしょう。

◆社会人および留学生のみなさんへ

本専攻では、社会人入学試験を導入しています。ともに、筆記試験(論文のみ)と面接によって選考します。社会の多様化にともなって、学びの形態もまた多様化しており、そのニーズに応えることが大学院にも要請されています。生涯学習についての関心 が高まっている今日、職業生活や家事従事などの社会経験を経て、本格的に学問研究をしたい、という人々が増加しています。また、日本で学ぶことを希望する外国人も少なくありません。多様な社会経験や異なる文化的背景に基づく発想や感覚は、学問研究の場を活性化させます。生きた社会的現実の理解を必要とする現代社会学という学問においては、社会人・職業人としての経験や日本とは異なる文化のもとで育った経験そのものが、重要な学修資源となり得るのです。本専攻は、多様な経験や文化を持った、社会人や留学生のみなさんを大いに歓迎します。

国際教養学専攻(修士課程)

◆色教育・研究の目的

本専攻は、広い文化的視野と高度な言語情報処理能力を有する人材を育成し、英米の言語・文学・英語教育の理論を実践あるいは応用できる専門職の英語教員や研究者を育成することを目的としています。これが、本専攻の教育・研究の目的ですが、その教育・研究領域を具体的に述べると次のようになります。

[英語学、英米文学、英語教育が主要分野]

日本の近代化とともに始まった英米についての研究は、興味深い言語理論、文芸批評、英語教育法を生み出し、今に至るまで脈々と続いています。その中でも一番の要となるのは、英米の言語・文学・英語教育についての研究です。英語学、英米文学、英語教育は長い歴史を誇る学問体系ですが、近年細分化や専門化が進み、より広い文化的視野に立ち、より高度な情報処理能力を活かした専門的研究とその教育が要求されています。こうした社会的要求に応えるため、本専攻においては研究資料や設備、教員組織、カリキュラムの整備・充実に努力し、優秀な英語教員や研究者を育成しようとしています。

[コンピュータ言語学、英語表現法なども加味]

21 世紀になって、英米の言語・文学・英語教育についての研究を取り巻く環境に劇的な変化が生じ、コンピュータ技術の進歩・普及によってグローバリゼーションが加速化される現象が見られました。この変化のため、本専攻は英語学、英米文学、英語教育の伝統的な研究領域だけにとどまらず、それらの研究にコンピュータを利用するコンピュータ言語学、ある いは研究発表でより豊かに自己を表現するための英語表現法などにもそ の研究対象の射程をひろげています。

◆特色あるカリキュラム

本専攻のカリキュラムは、主要な3分野である英語学・英米文学・英語教育それぞれに「演習」と「特論」の科目(甲類)を設けています。これらの「演習」と「特論」に並行して、各分野における研究の基礎を固めるため、また隣接分野への造詣を深めるため、3分野のより特定された領域に関係する研究科目(乙類)を配しています。

本専攻を修了するためには、開講科目の中から「演習」6 単位以上、「特論」および乙類科目から24単位以上、合計30単位以上を修得しなければなりません。なお、英文学専攻の領域を超えた広い視野を持つことも認めようと、他専攻の講義を8単位の限度内で、「特論」および乙類科目の中に加えることができます。

英語学・英米文学・英語教育の3分野の、より特定された領域に関する研究科目の特徴は多岐にわたっています。まず、「英米文学・文化研究」では、英米の文学作品であるノベル、ロマンス、エッセイ、詩、劇などの主要作品の特性を、それらが生まれた時代の社会や文化現象を視野に入れて研究します。「英語表現法研究」では、英語で書かれた作品研究と言語研究の統合を視野に入れ、英語の豊かさと多面性、さらにその効果的な表現法を研究し、英語の文章の正確な解釈や作成方法を修得します。「英語語法文法研究」では、英語の音声、語彙、構文などをこれまでの学校文法の枠組みとは異なる角度から考え、実際の英語の用いられ方についてデータ収集などを通じて帰納的に分析し、考察する力を修得します。「言語理論研究」では、科学としての言語研究を考察し、具体的には生成文法と呼ばれる言語理論の研究の成果を跡づけしながら、母語の獲得の仕組みや 脳科学の知見との接点を探り、自然言語の仕組みを研究します。それとともに、対照言語学的視点を養うことも目指しています。

さらに、コンピュータを利用した新たな研究領域として「英語コーパス研究」と「自然言語処理研究」などの科目も履修できるようになっています。「英語コーパス研究」では、大規模に構築された英語のデータベース、あるいは自分で作成したデータベースを使用し、コンピュータ処理を行って、英語のさまざまな特徴をとらえます。「自然言語処理研究」では、英語や日本語などの人間の言語をコンピュータを使って処理するための基本的な理論を学びます。まず単語に関して、次に文の構造、そして文の意味に関する理論を研究していきます。「国際コミュニケーション演習」では外国語としての英語を学修者がどのように修得していくかを中心に、言語研究と言語教育とのかかわりを考えます。