ホーム>新着情報>ニュース>法学部主催 講演会「本音で語る 中央省庁で働く国家公務員のリアルなキャリアとは」を開催
法学部主催 講演会「本音で語る 中央省庁で働く国家公務員のリアルなキャリアとは」を開催
掲載日時:2025年10月21日

 法学部は、10月2日、金融庁総合政策局参事官の安富稔晃氏を講師に招き、「本音で語る 中央省庁で働く国家公務員のリアルなキャリアとは」と題する今年度第2回の学部主催講演会を総持寺キャンパスで開催しました。

 冒頭で、安富氏は、金融庁が金融の円滑を図るため、金融に関わる制度の企画立案、金融サービス提供者に対する監督と金融市場の監視等を行っていることを説明しました。

 次いで、安富氏は、自身の紹介として、金融機関の検査・監督、制度の企画立案、新規職員採用、予算広報、英国留学、他省庁出向、大学教員としての出向等、入庁以来24年間で20もの業務に携わったこと、また、国家公務員を目指した理由として、特に阪神淡路大震災での自衛隊・神戸市役所職員の姿に感銘を受け、皆のために働ける公務員が自分には向いていると考えたことなどを挙げました。

 そして、特に印象に残った仕事上のエピソードとして、入庁1年目に直面した金融危機での不良債権処理の際に、不良債権に分類された債務者からの切実な電話に返す言葉がなかったこと、政務秘書官として東日本大震災の被災地で関係者にハンバーガーを配った際、食べるものもない被災者への思いから受け取らなかった若い自衛官がいたことなどを語りました。

 さらに、仮想事例に対する当局者の対応を問う中で、情報量が絶対的に不足するときに多様なコミュニケーションが役立つこと、不祥事の防止には法令による規制だけでなく企業倫理を通じた市場からの評価も重要になっていることも指摘しました。

 最後に、学生へのメッセージとして、公務員試験は誰にでも公平に開かれていること、大学の講義に無駄はないこと、面接では自分の経験に即して話すことが重要であることなどを助言しました。
 講演後の質疑応答では、人の話を聞くことや情報の収集が重要であることなど、丁寧に答えられました。限られた時間でしたが、学生は公務員としての心構えに強い印象を受けた様子でした。