TOP大学留学 カリフォルニア大学バークレー校
はじめに
本稿は、3年次の春学期に参加した、TOP大学留学のプログラムの1つである、カリフォルニア大学バークレー校(以下UC Berkeley)での体験談です。TOP大学留学制度は、国際学部、グローバルスタディーズ専攻(以下GS専攻)が対象で、3年生から参加が可能な特別な留学制度です。本学の国際連携企画課や、JTB様から安心で手厚いサポートが受けられるほか、条件を満たすと渡航先の授業料が免除になる大変魅力のあるプログラムです。UC Berkeleyでの経験を「留学を決めた理由」、「留学中の生活・学び」、「留学を通じて得たこと」の3つに分けて記します。
留学を決めた理由
私が留学を決めた理由は3つあります。1つ目は、世界最高ランクの大学で学ぶことができるからです。UC Berkeleyは、アメリカの公立大学ランキングで1位に選ばれ、THE世界大学ランキングは8位に位置しています。私が参加したUC Berkeley Summer Sessions 2025では、600以上もの分野から授業を選ぶことができ、現地の学生や他国からの留学生も参加しているため、ハイランクでグローバルな環境の中で学ぶことができます。
2つ目は、一年次に留学を経験していたことから、中長期の留学に抵抗がなかったからです。1年次に約3週間の短期留学に参加し、その時もUC Berkeleyに留学しました。たったの3週間でできることは限られており、英語学習がメインのプログラムでしたが、留学生を除くGS専攻のみんなと参加していたため、日本語を話すことのほうが多かったです。初めての海外で、雰囲気を味わうことはできましたが、もっと長い期間海外に滞在して、文化や歴史を英語で学びたいと思うようになりました。今回私が参加したUC Berkeleyのプログラムは、約3ヶ月間で行われ、専門的な分野を学ぶことをメインとしています。期間が長くなり、さまざまな場所に訪れたり、さまざまな人との交流を通したりして文化や歴史を学べると思い、参加しようと決意しました。それから留学に向け、TOEICの勉強に励んだり高いGPAを維持するべく、日々の授業を怠らないように努力し、最終的に勝ち取ることができました。
留学中の学び・生活
私は、渡航先の学校で3つの授業を履修しました。歴史と文化、音楽、都市開発関連に興味があったので、開発途上国の都市化とアメリカンアフリカンミュージック史、都市観察のフィールドトリップを履修しました。どの授業もオールイングリッシュで行われ、ディスカッションやディベート活動が多かったです。日本人はほとんどおらず、アメリカをはじめ、カナダ、南アメリカ、アジア、中南米からの学生が集まっていました。特に前半に受けていた開発途上国の都市化は、授業の7割が対話形式で、先生からの問いかけや学生間でのディスカッション、ディベートが行われました。今までにディスカッションはこなしてきたつもりではありましたが、いざとなると緊張して、うまく話すことができませんでした。しかし、周りの学生の発言をよく聞いていると、難しいことを言おうとするよりも、自分の考えを率直に伝えることを大切にしていると気づきました。自分がうまく話せなかった理由を振り返ると、文法や発音を気にしすぎていたことや、「良いことを言わなければならない」という思い込みが原因だったと分かりました。
次の授業からは、完璧に話そうとするのではなく、思ったことをそのまま伝えるように意識しました。すると、クラスメートが共感してくれたり、自分の意見に付け加えて話を広げてくれたりするようになり、自信がつきました。この経験を通して、「間違いを恐れずに発言すること」が英語でのコミュニケーションにおいて何より大切だと実感しました。また、そのおかげで、授業以外で現地の人と話す時も緊張せず落ち着いて話すことができるようになったと思います。
アメリカでの生活はとても充実していました。授業は大変でしたが、休みの日には観光をしたり、友人と食事に出かけたりして、うまく気分転換を図っていました。このプログラムでは、アメリカ国内だけでなくカナダへの渡航も許可されており、セッションの切り替え期間にあたる1週間の休みにはロサンゼルスを訪れました。以前から行ってみたかったハリウッドやアナハイムのディズニーに行くことができ、独立記念日の時期とも重なったため、アメリカの娯楽と文化を感じる貴重な経験となりました。
一方で、楽しいことばかりではなく、生活面で困ることも多かったです。特に印象に残っているのは、物価の高さで、サンフランシスコは世界的にも生活費が高い地域として知られており、円安の影響もあって、昼食を取るだけでも3000円ほどかかることが多かったです。外食ばかりでは出費がかさむため、自炊を取り入れながらやりくりしていました。
物価高の影響は現地の人々にも及んでおり、貧富の差の大きさを実感する場面もありました。シリコンバレーが近いことからエンジニアやIT関連の職に就く人が多く、経済的に余裕のある層も多かったのですが、その一方で、職に就けず生活が苦しい人々も少なくなかったです。中には、果物すら買えずに親子で助けを求める姿を見かけることもありました。コロナウイルスによる経済状況の変化も影響しているとされており、「自由の国」「移民の街」と呼ばれるアメリカにおいても、支援の手が届かない現実があることに心を痛めました。
留学を通じて得たこと
留学を通じて得たことは大きく2つあります。まず、多様な文化や価値観への理解を深めることができたということです。今回の留学はできるだけ多くの人と交流して、いろいろな話をしようと決めていました。初めは交流すらできるのかわからない状況でしたが、最終的に、クラスメートや友達の紹介、出先などで多くの人と出会うことができました。その中でも普通に生活するだけでは考えもしないような話をすることもでき、自分を見つめ直すきっかけとなりました。たとえば、レバノンから来た人でしたが、なぜアメリカに来たのか尋ねると、「アメリカンドリーム」に憧れたからと言っていました。一見すると単純な理由のように聞こえますが、母国を飛び出し、勉強して、アメリカの大学に入学し、異国でやりたい職業につけているということは素晴らしいと思いました。やると決めたら目標に向かって突き進み、困難に立ちはだかっても諦めて母国に帰らないという姿に感銘を受けました。そのほかにも「自分を型作っているものは何か」、「今の自分と過去の自分が出会って、お互いに同じ人であると認識するだろうか」という話もでき、深く考えさせられ、自分についてもっと知らなければならないと思いました。
また、異文化の中で自信を持ってコミュニケーションできるようになりました。上でも記したように、留学当初は文法や発音を気にして自信が持てませんでした。しかし、何か発したり、思ったことを率直に話すだけでも、言い換えてくれたり、最後まで理解してくれようとしてくれるので、安心して話せるようになりました。間違いを恐れていては何もできないし、せっかくアメリカに来たのに成長できないと感じたので、とにかく話すことを意識することで、英語を話すことへの抵抗は全くなくなりました。また、リスニング力とスピーキング力も前半よりも格段に上がり、会話が途切れることなく話せるようになりました。そして、個人的な見解ですが、サンフランシスコという移民の多い地域にいたことも、自信につながった要因の一つだと思います。人種に関係なく接してくれ、互いを尊重しようとする姿勢が感じられました。同じ留学生として、自分の葛藤を理解してくれる人も多く、「自分だって間違えるし、分からないこともある」と励ましてくれた言葉が印象に残っている。そうした温かい支えのおかげで、異文化の中でも自分らしくいられるようになったと感じました。
おわりに
今回の留学では、自分の想像を遥かに超えた成長が見られたと思います。異文化の中で培った柔軟な考え方や、コミュニケーション力を今後の国際交流や、キャリアに活かしていきたいと思います。また、留学中にできた友人はこれからも大切にし、自分が再び訪れた際も、友人が日本に来た際も助け合える関係でいたいと思います。そして、自分を信じて、一歩踏み出す勇気を忘れず、挑戦する姿勢を持って新しいことに取り組み続けます。






