ご挨拶

 追手門学院大学の「追手門」とは、城の正門を意味する正式な名称です。大阪城には当時、陸軍の大阪鎮台があり、1888年に第四師団と再編移行しましたが、この年、その司令官であった高島鞆之助が創設したのが、大阪偕行社附属小学校で、言うまでもなく現在の追手門学院小学校の前身です。追手門学院の歴史は、この1888年に始まります。

 ところで、「門」というのは、実に象徴的な存在です。何らかの境界に位置して、それをくぐると、別の世界が拡がります。また場所のみならず、時間的な区切りも、門に準えることができます。入学式や成人式、卒業式は、典型的な時間の門です。

 この「追手門」にて過ごした時代を境界として、学生のみなさんの人生にも、大きな変化が生じるはずです。その変化が、「成長」という言葉で言い換えられるものであることを願います。もちろんその「成長」にいろいろな形があって構いません。ただしその「成長」が、あくまで学生のみなさんの主体的な学びによってもたらされるものであることだけは、共通認識としたいと思います。もちろん我々教職員はこれを支援します。そして大学を卒業したのちも、この社会の中で、末永く学び続け、成長し続けてほしいと思います。

 追手門学院大学の教育理念である「独立自彊・社会有為」は、この主体的な学びと、一生の学びによって得られる社会との強いつながりを意味するものでもあります。これらを実現するために、学長として、三つの合言葉を唱えたいと思います。

  1. Student First
  2. ブランド化
  3. 笑顔づくり

 「Student First」は決して自由放任主義を意味する言葉ではなく、ここでいう「独立自彊」と教職員の支援のスタンスを意味します。また、学院と大学と学生自身のあらゆる意味における「ブランド化」によって、「社会有為」がより大きな効果と魅力をもって達成されることを信じます。

 多くの人が集うこの「追手門」という場が笑顔であふれていることが、その実現を後押ししてくれるもう一つの重要な力となるものと思います。そのためには、学長として、「笑顔づくり」を常に意識した運営を心がけます。この門をくぐった人が皆、自ら成長し、笑顔を輝かせ、一生学び続けていくこと。このために微力を尽くします。どうぞよろしくお願い申し上げます。