コンセントレーションパッケージ 国際開発(フィリピン)
はじめに
本稿では、コンセントレーションパッケージプログラムの国際開発(フィリピン)について述べる。
このプログラムは、フィリピン現地NGO LOOBが運営する研修事業である英語&ソーシャルアクション(ESAP)に参加し、SDGsを軸とした教育・環境・貧困などのテーマについて、座学やフィールドワークを通じて学びを深めることが目的である。学生は自主研究を履修選択し、研修前学習・現地研修・事後学習を行い、段階的に学習することができる。
本稿は、①はじめに、②授業を通して学んだこと、③研修で学んだこと、④おわりにの全4節で構成される。
本稿が国際学部生の学びや選択に生かされることを期待する。
授業を通して学んだこと
まず、事前学習で学んだことについて主に2つ述べる。事前学習では、渡航先であるフィリピンについて基礎となる知識を学習することや、研修における自分の目標・目的を明確にすることが主である。
1つ目の印象に残っている学びは、フィリピンと日本の関係性についてである。そこでは、フィリピンが第二次世界大戦中に日本によって大きな被害を被った国の1つであるということを事前に学ぶことができた。それにより、渡航するフィリピンという国やフィリピン人に対してどのように振る舞うことができるのか、事前に深く考えることができた。
2つ目の学びは、LOOBによって企画されている事前研修である、SDGsアカデミア・オンライン学習プログラムでの学びである。この研修では、SDGsやフィリピンの抱える課題について、現地ボランティア大学生と共に学ぶことができた。この研修は渡航後の研修スタイルと同様に進行されるため、渡航後の研修中に遅れをとることがなかった。
次に、事後学習で学んだことについて述べる。事後学習では、主に事前研修・現地研修での学びを振り返り、自分の思いや思考や学びを整理することができる。今回の事後学習は、昨年度同プログラムに参加した学生と学びを共有する機会を用意していただいた。
研修を通して学んだこと
現地での研修を通して学んだことは、大きくわけて2つある。
1つ目は、現地の言語を使用することの大切さである。研修で主に使用される言語は英語であったが、小学生や小学生未満の子供と交流する際には、英語が伝わらない状況に幾度か陥ることがあった。そこで、研修中に時間があれば現地語を教えてもらい、隙があれば現地語を使うことを心がけた。実際に、現地の小学校やコミュニティで自己紹介をする際、英語で自己紹介をした他の参加者よりも、現地語で自己紹介をした方が、現地の人に早く受け入れてもらえた印象がある。
2つ目は、他者と協力して課題解決に取り組むことの重要さである。研修で取り扱われる課題は、フィリピン国内に置ける課題がほとんどであったが、そのどれもがフィリピン政府だけで解決することが容易でないものばかりであった。
そこで、1国内における課題であったとしても、今の時代にその国単独で問題を解決することが困難であることをこの研修を通じて学んだ。このことから、多様かつ多くの人や団体等で協力し課題解決にとりくむ姿勢がこれからの時代に極めて重要であることを意識することができた。
おわりに
本節では、本稿を書くにあたって感じたことや今後の展望を述べる。
本稿を書く機会をいただいたことにより、改めて研修で培った学びや向上した能力について意識することができた。研修期間は一週間と短期間ではあるが、内容が充実しており毎日ヘトヘトになるほど楽しむことができるので、ぜひ興味のある学生には参加することをおすすめしたいプログラムである。






