留学生として挑戦した2度のレクチャー:実践から見えた学び
2025年は、大きな変化と成長の年となりました。数多くの新しい機会と貴重な経験を得ましたが、その中でも、先生から依頼されて国際学部の授業で2度、レクチャーをする機会を頂いたことは私にとって非常に大きな学びとなりました。
7月「イスラム教」について
まずは7月、イスラム教に関するレクチャーを担当する機会をいただきました。このレクチャーでは、イスラム教の基本的な教えだけでなく、ムスリムとして生まれ育ち、日本で生活してきた私自身の経験を通して、信仰と日常生活がどのように結びついているかを伝えることを目的としました。
テーマは、日本の学生にとって比較的馴染みのある事柄から入り、それらを手がかりにイスラムにおける価値観や規範、信仰の意味を分かりやすく説明する構成としました。約100名近い学生を前に直接講義を行うことができたことは、私にとって非常に貴重な経験となりました。学生たちが真剣に耳を傾け、驚きや関心の表情を浮かべながら参加してくれた姿が強く印象に残っています。
また、実際の礼拝用マットやクルアーンを持参し、質疑応答の後には希望者に前に出てもらい、礼拝の動作や聖典に触れてもらう体験型の時間を設けました。単なる知識の共有にとどまらず、実際に体験することで理解を深めてもらえたことは、本レクチャーの大きな成果であったと感じています。
講義終了後には、多くの学生から「イスラムに対するイメージが変わった」「文化の背景を知ることで理解が深まった」といった温かい感想をいただきました。これらの言葉を通じて、対話と共有が相互理解の架け橋となることを実感し、心からこの機会に感謝の気持ちを抱きました。
今回の経験を通して、自分自身のルーツや信仰を改めて見つめ直すと同時に、異なる文化や価値観を伝える役割を担うことの重要性を強く感じました。今後もこのような機会を大切にしながら、多様性を尊重し合える社会づくりに少しでも貢献していきたいと考えています。
12月「留学生と技能実習生」について
第二回目のレクチャーとして、「日本における留学生および技能実習生の現状」をテーマに講義を行う機会をいただきました。本テーマは、通訳としてインドネシア人実習生と日常的に関わっている私自身の経験と深く結びついており、非常に現実的かつ重要な課題であると感じています。
講義の前半では、私自身が来日してから現在に至るまでの歩みについて紹介しました。日本語学校での学習経験、さまざまなアルバイトへの挑戦、そして追手門学院大学への進学に至る過程を通じて、日本で生活する外国人が直面する努力と困難を具体的に伝えました。
後半では、技能実習生および留学生を取り巻く社会的課題について詳しく説明しました。低賃金や長時間労働、転職の困難さ、多額の借金を抱えて来日する実態など、制度の中に潜む構造的な問題を、実習生の生の声と共に紹介しました。また、留学生の急増によって生じている学業困難や過重労働、不法滞在へとつながる悪循環についても取り上げ、日本社会が抱える受け入れ体制の課題を共有しました。
さらに、日本語教育の質の向上、労働環境の改善、外国人向け相談窓口の充実といった具体的な改善策を提示し、制度改革と同時に意識の変化の重要性を訴えました。外国人労働者を単なる「労働力」や「カテゴリー」としてではなく、共に生きる仲間として捉える視点の必要性を強調しました。
本レクチャーを通じて、私は日本社会における国際共生の現実と課題を改めて深く考える機会となりました。日本で生活してきた外国人として、制度と現場の大きなギャップに強い違和感を覚えると同時に、正しい理解と対話こそがより良い社会を築く第一歩であると実感しました。
今回の経験は、単なる情報提供にとどまらず、参加者一人ひとりが外国人の立場に立って考えるきっかけを生み出したと感じています。今後も、自身の経験を生かしながら、相互理解と共生社会の実現に向けて発信を続けていきたいと考えています。






