知的財産判例セミナー(3 大学合同プロジェクト)
知的財産判例セミナー(3 大学合同プロジェクト)は、知的財産判例研究を目的とした山口大学、金城学院大学、追手門学院大学の 3 大学による合同プロジェクトです。法律が専門ではない学生が約半年間のプロジェクトを通じて身につけたものは何か?是非、ご一読ください。
はじめに
2023 年 Research Project 1&2(足立ゼミ)では、知的財産や契約のことについて研究しています。特にあらゆる活動にかかわる法的な保護の仕組み及び企業がそれを何に活用しているのか調査·研究しています。
今回の3大学合同プロジェクトは、足立ゼミの活動としてクラスのなかで我々3 名が参加しました。本稿では 3 大学合同プロジェクトについて報告します。
3 大学合同プロジェクトの概要
まず、3大学合同プロジェクトの概要について説明します。このプロジェクトには、山口大学(山口)と金城学院大学(愛知)、追手門学院大学(大阪)の 3 つの大学の学生が参加しました。プロジェクトの大きな特徴は、どの大学の学生も法律が専門分野ではないこと、また各大学が単独でそれぞれチームをつくるのではなく、3 大学の学生の混成で A·B·C3 つのチームが編成されたことです。
このプロジェクトでは、知的財産判決を取り扱い、それぞれのチームはひとつの対象事件について研究します。判決についての理解度や考察力が非常に重要であり、専門分野でない学部や学科に所属する私たちが知的財産権判決を研究するには、約 5 か月の期間を要しました。
8 月から始まったプロジェクトは 12 月に行われる最終発表会を目標にスタートしました。まずはそれぞれが判例研究とはどのようなものか知ること、次に各チームで研究対象とする裁判例を選ぶところから始まりました。そして各チームが、最終発表に向けて隔週で Zoom ミーティング、10 月に Zoom での中間報告レビュー、11 月に金城学院大学で対面による中間報告会を行い、各チームの進捗について確認しました。これらの機会では、各大学の先生方にコメントやフィードバックをいただきました。各チームの判決に対する内容だけでなく、発表準備やその姿勢についてご指導をいただき、プロジェクトの体制を整えるきっかけとなりました。
3 大学の混成チームだからこそ、判例研究に対してさまざまな知見を持ち寄り研究できたと思います。
中間報告レビューと中間発表会
次に、11 月 23 日の中間発表会までの道のりと中間発表会を終えた時点での報告を行います。
10 月 26 日の Zoom 中間報告レビューから中間発表会までに1か月程度あり、先生方からのコメントでズタボロにされたスライドを直す作業に多くの時間を費やしました。チー ムのメンバーで全員が参加できる日はいつかなど連絡を取り合い、時間が空いていたらその日の何時間かを Zoom の時間に費やし話し合いながらスライドを作成していくという作業をひたすら行いました。
そして、中間発表会の日になり、自分たちが作れる渾身のスライドを発表しに金城学院大学に行きました。そこでチームの仲間と初めて対面で顔を合わせました。これまでずっと画面上で切磋琢磨しながらプロジェクトを行ってきた仲間に会えるのはとてもうれしかったのを覚えています。それと同時に、今から発表かという不安もありました。
中間発表会当日は、発表までは時間が割とあり、それまでに発表練習やスライドの最終調整を行いました。全部のチームが自分たちの力を発揮できたと感じていた、と思います。ただし、発表が終わるまでは...。
発表が終わるとダメ出しが山のようにありました。そして、私たちは何も言うことができず、最終発表にむけてまたやり直しをしていくこととなりました。
最終発表会
このプロジェクトを通して、私たちは諦めずに何事にも考え抜くことを力として身につけることが出来ました。先生方からのご指摘に考え悩むこともありましたが、常に新しい情報を取り入れ、考え抜くことでどんな壁にも対応していきました。12 月 21 日の最終発表会まで残された時間は多いものではありませんでしたが、メンバー全員が各個人の見解を考え抜くことでメンバーの知恵は文殊の知恵となり、納得のいく考察を生み出すことが出来ました。
最終発表は、プロジェクトの参加学生だけでなく、外部からも視聴を受け付ける公開のリモートセミナーとなりました。発表後のコメントでは、セミナーの後援企業の方や山口大学総合科学部のデザイン関係の先生からもコメントをいただきました。大学の授業の中では、社会の大人と交わることは少ないため、とても貴重な経験となりました。
それぞれの学生がひとつの判例研究をチームでつくりあげるという目標を成し遂げられたと思います。
おわりに
最終発表会での発表はすべてが完璧だったわけではありません。決められた時間の中で行うリモートセミナーでは、機材トラブルや対面を完全に代替することのできないコミュニケーションがあったはずです。そのなかで、問題が生じたときは、各チームが臨機応変にカバーし、最終発表を円滑に運営することができたと考えます。
活動を終えての最終的な成果としては、それぞれの学生がひとつの判例研究を深く考え、チームでつくりあげるという目標を成し遂げられたことです。3 大学の学生の混成のチームでは、自主的に考え行動する力や他者と協力し課題に取り組む力が身に付きました。3 大学合同プロジェクトで学んだことは、これからのグループ活動に大いに活かしたいと考えます。
当日の様子や各大学の学生らの感想は以下のHP上にも掲載されています。
■金城学院大学
https://www.kinjo-u.ac.jp/ja/news/detail/?id=1776
■山口大学(ビジネス著作権検定を運営するサーティファイ社HP)