3大学共同プロジェクト
荻野 空芽 / HOANG HAI THANH 国際学部 国際学科

3大学共同プロジェクトに参加して

 足立先生3年生ゼミの特別なプロジェクト「3大学共同プロジェクト」について紹介します。このプロジェクトは、追手門学院大学、金城学院大学、山口大学の3校が協力し、山口大学国際総合科学部・知的財産センターが共催する「知的財産判例セミナー」で、判例研究を発表しました。
 まず初めに強調したいのは、私たちの中には法律の専門ではない人もいるということです。それでも、先生方の丁寧な指導と全員の努力のおかげで、知的財産権に関する裁判例を調査・分析することができました。

研究と発展の過程

 このプロジェクトでは、「知的財産」という主要なテーマに焦点を当てました。グローバル社会において生じ得る問題を自らシミュレーションし、獲得したスキルを活かしてその解決策を論理的かつ能動的に導き出すことができるようになることや他大学学生と交流を通じて成長する機会になることがこのプロジェクトの参加意義です。今回の取り組みでは、追手門学院大学の足立先生3年生ゼミの学生7名が参加し、金城学院大学、山口大学の学生たちと協力しプロジェクトを行いました。
 昨年度と同様に、3校の学生たちはA、B、Cの3チームに分かれ、それぞれが興味のある裁判例を選び、研究と分析を進めました。法律を専門としない私たちにとって、この研究は簡単なものではなく、裁判例を理解し、法的な結論を導くまでに3か月以上を要しました。

プロジェクトの主なステップ

1. 9月:Zoomによる初顔合わせ  
 これが3校の学生が初めて顔を合わせる場となりました。先生による3大学共同プロジェクトの意義や今後の予定の説明を受けた後、チーム発表がありました。チーム内で自己紹介を行い、ここでLINEの連絡先を交換し、研究する裁判例を選定しました。


2. 10月:初めての発表  
 最初のプレゼンテーションは、大きな課題となりました。前回の初顔合わせから、判例を選定し、そこから、プレゼンテーションの準備を行いました。私たちチームAの発表には、スライドが不完全な部分、論理の不備や証拠の弱さ、問いと結論の不一致など問題が様々あり、多くの指摘を先生からいただきました。この経験を通じて、さらに努力が必要であると実感しました。

3. 11月:金城学院大学での対面会議  
 長いオンライン作業を経て、初めて直接会うことができたこの会議は、私たちにとって大きなモチベーションとなりました。わずか2時間の対面でのディスカッションでしたが、実際に会って話し合う機会は非常に重要で裁判例の内容をより深く理解し、よりスムーズにディスカッションすることができました。また、実際会うことで、より仲が深まり、良い関係を気づくことができました。
 このディスカッション後、中間発表を行いました。発表後、先生方の質問に答える形で議論を進めました。中間発表でも、自分たちの想定よりもはるかに多い指摘をいただき、2回目の発表後もまだ多くの課題が残っていることが明らかになりました。他のBチームやCチームも同様に困難に直面していました。


4. 12月:セミナーでの発表  
 最終発表の前日、私たちチームAは、資料や結論が上手くまとまっていなかったため、先生の力を借り、朝から深夜まで、プレゼンテーションの準備に励みました。チームBもチームCも前日まで練習をしていたり、資料を作っていたりしていました。そして12月19日、発表当日になり、全チームがオンラインで発表の練習を行いました。そこで先生から最後のアドバイスをいただき、最終の修正を行い、発表に臨みました。
 発表は、知的財産を専門に扱う方や法律事務所の方など、100名近い方々が参加し、非常に緊張しました。しかし、これまで作り上げてきたもの、練習の成果を存分に発揮し、どの班も最高のプレゼンテーションを行うことができました。

忘れられない経験

 最終発表はプロジェクト参加学生だけでなく、知的財産の専門家や法律事務所の方々、3大学の先生方も参加するオンライン公開セミナーとして実施されました。セミナーまでの過程で先生方からたくさんの指摘をいただき、直してはまた指摘をいただきといったことを繰り返し行いました。何度も判例を読み返し、非常に大変でしたが、問題を解決していくことで達成感を得ることができました。また、先生方からのフィードバックは、普段の授業では得られない貴重な経験となりました。さらに、チームメンバーとは連絡先を交換し合い、今でも連絡を取り合う仲に発展しました。このプロジェクトを経験しないと得ることができなかった関係です。
 非常に大変なことが多かったですが、それ以上に今後の人生において、重要なことをいくつも学ぶことができた素晴らしい経験になりました。

結論

 このゼミのプロジェクトは、私たちに知的財産権についての理解を深めさせただけでなく、多角的な視点の重要性を学ぶ貴重な機会となりました。他2大学から1年生から4年生までが参加したこのプロジェクトを通じて、新しい学びや視点を得ることができました。
 プロジェクトは終了しましたが、ここで得た経験と記憶は、私たちの学びとキャリアにおいてかけがえのない財産となるでしょう。



12月19日山口大学公開セミナーの告知チラシ



このセミナーで最終発表を行った。


当日の様子は以下のHP上にも掲載されています。

■金城学院大学
https://www.kinjo-u.ac.jp/ja/news/detail/?id=2169

■山口大学(ビジネス著作権検定を運営するサーティファイ社HP)
https://www.sikaku.gr.jp/bc/pbl/2024/