教育実習、そして4月から英語科教諭へ
はじめに
私は6月2日から6月21日までの3週間、教育実習事前・事後指導で学んだことをもとに、母校である履正社高等学校で教育実習を行い、高校1年生の英語の授業とクラス運営を担当させていただきました。指導教諭の先生方からご指導をいただきながら、授業見学や授業準備、教材研究に励みました。本稿では、大学生活、教育実習の生活、そこから得た学び、教員採用試験、4年間の振り返りについてまとめていきます。
教職課程への挑戦
私は中学3年生の時に抱いた「先生になりたい」という夢を実現するため、大学に入学し教職課程を履修しました。様々な教職科目や教育実習事前・事後指導、また教職実践演習を通して実際に教員になるための知識をたくさん学びました。 3年次のゼミでは、私は「オーストラリアにおけるアジアンヘイトの現状とその背景」について研究レポートを書きました。新型コロナウイルスの流行を機にアジア人差別が増加していたこと、その背景にある歴史的な移民政策の影響を文献調査から知ることができました。この学びは後にオーストラリアでのワーキングホリデー経験の中でも生かされました。また、ゼミの友人たちの研究レポートから知らなかったことを学び、様々な視点から物事を捉える力を培うことができました。 2,3,4年次には「門真プロジェクト」という門真市の中学生に英語を使う体験を1日提供するという活動にも参加し、普段なかなか関わることのない中学生との接し方を学び、どのように英語と楽しさを結び付けることができるかについて深く考える良い機会になりました。
オーストラリアでのワーキングホリデー
3年次終了後、1年間休学してオーストラリアでのワーキングホリデーを経験しました。英語科の教員として教壇に立つならば、実際に英語を話せる自分でありたいという思いから決断しました。仕事探しには1か月以上かかり、人生で初めての解雇を経験したこともありましたが、多国籍の人々との出会い、異文化の価値観に触れ、英語だけでなく韓国語も学ぶなど多くの刺激を受け、多くの学びを得ました。言語が聞き取れず悔しい思いをした場面もありましたが、知らない土地での生活自体が学びの連続であり、本当にたくさんの貴重な出会いと経験を得ることができました。
教育実習中の生活
すべてが初めてのことで、精神的にも体力的にも大変な3週間を過ごしました。授業を作成・実行大切なこと、クラス運営するために必要な能力などたくさんのことを学んだ3週間でした。実習校で定められていた勤務時間は8時15分〜16時30分でしたが、私は毎朝7時30分に出勤し、退勤は19時~22時30分の間でした。昼食の時間はその日の授業時間割によって確保できない日もあり、作業をしながら昼食をとることもありました。授業以外の時間は授業準備や教材研究、毎朝の早朝テストの採点、学習指導案の作成、先生方の授業見学などを行いました。
1週目は主に朝礼・終礼や掃除の指導、授業見学を行いました。欠席・遅刻者・早退者の把握や連絡だけでなく、生徒の状態を見てその時に応じた生徒への一言を伝えていました。また、授業見学では担当教諭の先生の授業はもちろん、他にも英語科の先生の授業を見学して様々な授業の仕方や生徒との関わり方を学びました。
2週目から実際の授業を行いました。初めてのことだらけで、どれだけ準備しても不安が残りました。最初の授業が終わり担当教諭の先生からのご講評では、「しっかり話せていたが1つ1つの内容が薄い」という指摘を受けました。それを改善しようとするあまり、それぞれのクラスで伝えている内容の濃さや量が違うという問題点が出てきてしまい、「全クラスで同じことを伝えなければ不利益が生じてしまう」と指摘されました。そこからはいかに初めての範囲を授業する前に教材研究をし、生徒の疑問や反応を予測して対応できるように事前準備の大切さを理解し、授業準備を行いました。
3週目には、これまでの反省を活かした授業を行うことができ、担当教諭の先生から「安心して見ていられる授業だった」という嬉しいお言葉を何度かいただくことができました。研究授業では初めて扱う範囲にとても緊張しましたが、何度も練習した甲斐があり、ご講評では「頑張って時間をかけて用意した授業であることが分かった」「生徒を巻き込んで授業をするのが上手だった」「指摘する部分が思いつかない、完璧だった」「英語が分からない私にも分かりやすい授業だった」等のありがたいお言葉をいただくことができました。一方で「生徒に親しみのある例文を使ったほうがいい」「生徒にもっと活動させたほうがいい」というアドバイスもいただきました。残りの授業ではいただいたアドバイスを生かし、より改善した授業を行いました。
教育実習で得た学び
3週目にあった球技大会では、様々な球技を生徒たちが一生懸命取り組んでいて、応援している私も熱い気持ちになりました。スポーツ強豪校ということもあり強化クラブ生と試合になると気分が上がらない生徒も出てきましたが、そのようなことは関係なく全力で応援したことによって、「先生が一生懸命応援してくれたからやる気が出た」などと言ってもらうことができ、目の前の生徒たちに全力で関わることの大切さを改めて学びました。体力的にも精神的にもしんどいことが多かった3週間でしたが、それを上回るほどの楽しみややりがい、幸せを生徒たちからもらうことができた3週間でもありました。改めて人と全力で関わることの大切さを学び、なりたい教師像がより明確になりました。
教員採用試験への挑戦
大学では授業以外でも教職教養や専門科目の学習に加え、面接指導や実技試験の練習など多くの試験対策に取り組みました。教育実習事前事後指導の蛭田先生をはじめ、教職支援室の坂本先生、平野先生、ゼミの原先生にたくさんご指導いただきました。自分でもたくさんテキストなどで勉強しましたが、それよりも精神的な支えにもなってくださった先生方にご指導いただいた部分が試験での合格という結果につながったと身をもって感じています。
4年間の振り返り
この4年間、たくさんの友人や先生方、家族に支えられながら自分の意見や決断を大切にすることができたと思います。大学生活にはたくさんの選択肢があり、留学費用の不安や教職課程の厳しさから挫折しそうになった時期もありましたが、自分の行動次第で可能性は無限大に広がると身をもって学びました。自分の意思で選択し、夢のために行動し、夢を叶えることができた4年間でした。これからは、大学生活で学んだことを活かし、忍耐強く生徒を支え、英語学習の先にどのような世界や楽しみが広がっているのかを伝えることができる教師を目指して頑張っていきます。






