大阪・関西万博2025 オーストラリアパビリオン
阪部 真優奈 国際学部 国際学科 3年

大阪・関西万博2025 オーストラリアパビリオン での体験

オーストラリアパビリオン01
オーストラリアパビリオン02

はじめに

 

 本稿は、2025年4月13日から10月13日まで開催された大阪・関西万博2025のオーストラリアパビリオンでのアルバイト経験について記したものです。1970年以来55年ぶりに日本で開催された万国博覧会で働けたことは、非常に貴重な経験でした。この体験を通して学んだことや感じたことを、少しでもお伝えできればと思います。


オーストラリアパビリオンを選んだ理由

 

 私は、2018年に日本での万博開催が決定した時から、「いつか万博で働きたい」という夢を持っていました。大学3年生となった2024年8月には、CP英語プロフェッショナルを通じてオーストラリアへ1か月間の語学留学を経験しました。留学中には、オーストラリアの多様で開かれた文化や価値観に触れ、深く魅了されました。こうした背景から、私はオーストラリアパビリオンで働くことを決意しました。


多様性と学んだこと


 研修が始まったのは3月中旬でした。研修会場には日本人がほとんどおらず、全て英語で行われました。オーストラリアの方だけでなく、世界中のさまざまな国から多様な言語を話す人々が集まっており、初日はその雰囲気に圧倒され、不安でいっぱいでした。

 当時の上司はブラジル出身で、お互いに英語が母語ではない中でのコミュニケーションは簡単ではありませんでした。しかし、相手が最後まで耳を傾けてくれたり、丁寧に教えてくれたりと、支え合える環境の中で働くことができました。

 業務の意思疎通は想像以上に難しく、言葉だけではなく「伝えようとする姿勢」の大切さを学びました。また、食文化の違いにも驚かされました。職場にはVegan(完全菜食主義者)やVegetarian(菜食主義者)の方もおり、多様な価値観を尊重する文化を肌で感じました。こうした多様な人々と共に働く中で、国際社会で必要な柔軟さや理解力を身につけることができたと感じています。 


忘れられない思い出

 

 私はオーストラリアパビリオン内の「CAFÉ KOKO」で働きました。来場者の約7割は日本人、3割は外国の方でした。最初のうちは英語での接客に緊張しましたが、次第にお客様との会話を楽しめるようになりました。中には、何度も訪れてくださり仲良くなったお客様もおり、ピンバッジを交換したことは素敵な思い出の一つです。

 また、パビリオン内では多くのイベントやパーティーが開催され、私は国対抗のサッカー大会やフェアウェルパーティーにも参加しました。部署の垣根を越えて多くの仲間と交流できたことは、かけがえのない経験でした。特にフェアウェルパーティーで「Year Book(記念アルバム)」にメッセージを書きあった時間は、忘れられない思い出となりました。



おわりに

 

 この長くて短い6か月間は、決して楽しいことばかりではなく、困難も多くありました。しかし、それらすべてが私にとって何にも代えがたい財産となりました。語学だけでなく、異文化理解やチームワーク、そして自分の意見を伝える勇気の大切さを学ぶことができました。多様な人々と協働しながら目標を達成する喜びを知った今、今後の学業や将来の進路においても、この経験を生かしていきたいと思います。