2020年になって新型コロナウイルス「COVID‐19」の感染が世界で拡大する中、デジタル技術を生かした新たな教育の在り方について、議論や研究が活発に行われています。いかにして教育の質を保ちつつ、安全で生産性の高い学習環境を提供できるか、各国の教育関係者は切迫した課題を突き付けられています。
このような背景の下、本学オーストラリア・アジア研究所は12月8日(火)、共同研究を続けているオーストラリアのメルボルン大学から商経学部経営・マーケティング研究科科長のPrakash J. Singh 教授をお招きし、“Digital Education Innovation at the University of Melbourne and Outlook for the Future(教育デジタル化の革新を求めるメルボルン大学の取組と今後への展望)”をテーマに国際ウェビナーを開催しました。
ウェビナーの前半では、Singh教授からメルボルン大学のデジタル教育への取り組みについて説明していただきました。同大学はアジア・オセアニア地域最高レベルの研究教育機関として、5万人以上の学生(うち大学院生約2万5000人)が在籍し、自然科学、社会科学、人文科学や医学、芸術など多様な分野における4600人以上の教職員を擁しています。オーストラリアの中でもメルボルンは特にCOVID‐19感染者が多く、当局からPause(行動自粛)を求められる中、9割以上の授業をオンラインで行いました。パンデミック以前から実施していたオンライン・プログラムやオンライン・コンポーネントなどを生かしながら、迅速にデジタル・コンテンツの追加・修正を行い、大学の専門家もオンライン教育を設計・提供するためのインフラづくりをサポートしました。
後半には、 ウェビナーを共催した本学の経営・経済研究科と教育開発センターの教職員に加えて多くの大学院生も参加し、オンラインのパネル・ディスカッションを通じて、本学と日本でのデジタル教育への取り組みの実態や直面している問題などについて、オーストラリア側と建設的な議論を繰り広げました。今後の国際人材育成や革新的な教育・研究環境の構築についても、貴重な提言やコメントが多く寄せられました。
今回は本学における初の国際ウェビナーとして、複数の教育・研究機関の協力により、意義ある成果を上げることができました。この経験を踏まえ、デジタル教育・研究のイノベーション実現に向けて、国内外の共同研究者や本学の教育・研究機関とともに今後も継続的に取り組んでいきたいと考えています。
【本件についてのお問い合わせ】
追手門学院大学 オーストラリア・アジア研究所
T E L:072-641-9667
F A X:072-643-9476
email:cas@otemon.ac.jp