ホーム>新着情報>ニュース>国際ウェビナー2021 vol.2を開催!(オーストラリア・アジア研究所)
国際ウェビナー2021 vol.2を開催!(オーストラリア・アジア研究所)
掲載日時:2022年1月25日

 

 オーストラリア・アジア研究所では、去る2022114日(金)、オンライン会議・通訳システムを活用した国際ウェビナー「アジア・オセアニア地域における企業および社会の変革と再生」を開催し、研究者、大学院生、学部生等、日本とマレーシアから約20名の参加をいただきました。

 

ウェビナーチラシ

 

今回はシリーズ第2弾として、

■アジアパシフィック大学(APU)企業経営研究所所長

Angelina Yee Seow Voon

UCSI大学 副学長

Chong Aik Lee

のお二方を講師としてお招きし、ご講演いただきました。

また、テーマに関連した若手研究者からの発表として、APUの大学院生2名にもご参加・発表をいただいています。

以下、ウェビナーの報告レポートを掲載します。

 

【はじめに】

 コロナ禍の打撃による世界経済の停滞が深刻となる一方、デジタル技術をはじめとする技術変革が様々な領域に浸透し、デジタル経済の成長と発展がグローバル経済を支える新たなエンジンとなりつつあります。
 また、業種や分野の境界線を越え、組織間の連携や産官学のコラボレーションによる取り組みが盛んに行われ、レジリエントな社会システムの構築に、いかに革新的なインフラ整備を推進すべきかが喫緊の課題となっています。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 上述の背景を踏まえ、産業界と学術界におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX変革)の迅速な実現や社会システムのレジリエンスの向上を有効に達成できるために、本研究所は長年培ってきたアジア・オセアニア地域を中心とした国際研究を生かし、日本や世界的に権威のある専門家の協力をいただき、“アジア・オセアニア地域における企業および社会の変革と再生”をテーマに、本学経営・経済研究科との共催で、今回の国際ウェビナー・シリーズの開催を企画しました。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 本シリーズの第2回目として、今回はマレーシアの学者と専門家を招き、大学のインキュベーション推進や産官学連携によるサステナブル・イノベーションの取組について、研究チームの気鋭若手研究者による最新な研究成果の披露を交えて講演して頂きました。

 

【基調講演 Angelina Yee Seow Voon

 ウェビナーの前半では、Asia Pacific University of Technology and Innovation(APU)大学企業経営研究所所長のAngelina Seow Voon Yee先生に“Managing a university incubation in Malaysia”をテーマとして、マレーシアの大学におけるインキュベーション(起業支援)やアントレプレナーシップ(起業家精神)を焦点に、学生を中心とする取組の実態について披露して頂きました。とりわけ、高等教育品質向上と産官学連携の視点から、大学発のスタートアップ企業やビジネスプランの実行には、いかにシームレスな指導と支援ネットワークが完備されているかなど、綿密なイノベーション・マネジメントを共同に成し遂げるための一連の方法論を詳しく説明して頂きました。

発表の様子

 

 

 

 

【講演 Chong Aik Lee

 続いて、Angelina先生の共同研究者でもあるUCSI College副学長を務めるChong Aik Lee博士より“Performance Measures of University and Industry Collaboration in Malaysia”をテーマに、マレーシアの産学連携における評価基準の開発や関連プロジェクトの成敗要因に対する定性的分析のアプローチなどについて、長年、蓄積した研究調査のデータを基に、システマティックにその考察と知見を披露して頂きました。

発表の様子

 

 

 

 

【テーマに関連した若手研究者からの発表】

Bay Tong Hai (APU)

 ウェビナーの後半では、Angelina先生の研究チームの若手研究者による最新の研究成果の発表が行われました。

 Bay Tong Hai氏は“A Systematic Review on Motivations for Tri-Partite Research Collaboration Between Research Institutes, Universities, And Industries”をテーマに、研究所、大学と産業界の三者間における共同研究の理論的背景やその実用性などについて、オリジナルな研究メソドロジー(方法論)をベースに、ロジカルな展開と今後の研究方向性を明確に論じてくれました。

 

 

Albert Kok Loon Wong (APU)

 同じ研究チームの若手研究者であるAlbert Kok Loon Wong氏は“Business Continuity Management Systematic Literature Review: Towards a Socio-technical Resilience within the Pandemic Context”をテーマとして、今日、最も注目されている事業継続計画(BCM)というトピックに焦点を当て、パンデミックのコンテキストにおける社会技術的レジリエンスというオリジナルな視点から、“灰色のサイ(Gray Rhino)”に発展した新型コロナウイルス感染症が企業や社会にもたらした深刻な打撃の要因を理論的に分析し、今後のBCMの強化に社会技術的レジリエンス向上の重要性を論証しました。

 

 

【ディスカッションと今後に向けて】


 ディスカッション・セッションでは、フロアから、先鋭的かつ切実な意見・コメントが多く寄せられ、非常に建設的な議論を展開することができました。

 今回はオンライン同時通訳機能を活用し、マレーシアの学者と研究者たちを含めた出席者全員が自由自在に議論を交わすことに、コーディネーターとしての役割を最大限に果たし、結果、参加者と講演者との距離感を近づけることができました。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 今後、本研究所として、このような国際研究交流活動を継続的に行う予定ですので、もっと多くの方が関心を持って積極的に参加して頂けるように取り組んでいきたいと考えています。

 

 

 

 



【本件に関するお問合せ】

 

追手門学院大学 オーストラリア・アジア研究所
T E L
072-641-9667
email
cas@otemon.ac.jp

 

Center for Australian and Asian Studies,
Otemon Gakuin University
2-1-15 Nishiai Ibaraki-city, Osaka 567-8502, Japan