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【開催報告】4/13豪亜研・関西生産性本部共催 2023年度 国際セミナーを開催
掲載日時:2023年5月9日


 2023年4月13日(木)、オーストラリア・アジア研究所は関西生産性本部と共同開催で、関西モノづくりフォーラム2023年度国際セミナー「世界的視野からみたグローバルサプライチェーンの動向」をzoomを使ったオンラインで開催いたしました。

【講 師】Prakash J. Singh教授(メルボルン大学)
【日 時】2023年4月13日(木)15:00~17:00 


 

 

 今日、国際情勢の複雑化・深刻化が進み、2020年から全世界に蔓延したCOVID19パンデミックが続いている中、グローバルな経済・産業活動が著しいダメージを受けており、サプライチェーンをはじめ、ビジネス業界全体の「レジリエンス(弾力性・回復力)強化」がますます求められています。

 

 このような背景下、長年サプライチェーンマネジメントの研究に携わり、本学をサバティカル訪問中であったメルボルン大学教授 Prakash J. Singh先生をお招きし、サプライチェーンの基本原理からグローバルな事業継続マネジメント(BCM)やデジタルサプライチェーンといった最新・最先端な案件まで、事例を交えながら解説していただきました。また、今回は関西生産性本部と共同で開催しており、当日は、日本のリーディング企業から60名ほどの参加がありました。

 

  Singh教授は最初に、この3年間のCOVID-19パンデミック発生中における世界の人々の経験や各国政府の対応などから、社会的なダメージや人々の意識変化の顕著化を通じて、「グローバルサプライチェーンの混乱は今後も続く可能性が高い」ことを指摘されました。

そして、サプライチェーンの基礎原理から、パンデミック発生前と発生後の比較を通じて、今後のグローバル・サプライチェーンを運営する上で、最も有効なメソドロジー(方法論)を示唆いただきました。また、その成功事例の一つとして、「世界のワクチン業界のケーススタディ」を取り上げ、ワクチンの開発プロセスやCOVID-19ワクチン開発競争の実態を詳細に説明され、重要な成功要因として、「敏捷性」「応答性」「スピード」「パートナーとのコラボレーション」などを挙げられました。

 

 




 セミナー後半では、サプライチェーンの観点から、今後、テクノロジーセクターにおいて、既存企業に最も機会と挑戦をもたらす「グローバルな脱炭素化プロジェクト」について紹介されました。

 

具体的な指針として示されたのは以下の通りです。

 ・再生可能エネルギーの未来のための原材料のアクセス可能性

 ・上流において優位性を示している既存の鉱業企業に対して、下流で付加価値を与えるためにサプライチェーン企業に必要なケイパビリティ

 ・再生可能エネルギー機器の生産への投資のための環境作り

 

 最後に、健全なサプライチェーンマネジメントの基本に焦点を当て、マッピンクによるサプライチェーンの知識蓄積、技術の進歩とデジタル化の組み込み、規制および地政学的なニーズへの対応など、「新しいグローバルサプライチェーンの構築」にあたり、最も効果的なソリューション案や重要なインサイトについて示されました。

 

 

 講演後、多くの質問やコメントが会場に寄せられましたが、Singh先生は一つ一つの丁寧に応えられ、会場は大いに盛り上がりました。

 現在、グローバル企業の多くが、自社の関わっているグローバルサプライチェーンの今後について数多くの課題を抱えている中、今回のセミナーを通じて、世界のこの分野の専門家と直接に交流を深めたことは、まさに“Just in Time”の知識提供を実現できたのではないでしょうか。

 

 オーストラリア・アジア研究所は、今後もこのような産学官連携活動を継続的に行い、最新かつ最も効果的な知識やノウハウの交流を推進するコーディネーターの役割を果たしてまいります。応援を宜しくお願い致します。






【本件に関するお問合せ】


追手門学院大学
 オーストラリア・アジア研究所
T E L:072-641-9667
email:cas@otemon.ac.jp