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【開催報告】豪亜研12/5オーストラリア文学をテーマとした国際セミナー
掲載日時:2023年12月12日

 本研究所はオーストラリアの名門大学やオーストラリア研究者・学者との研究交流活動として、長年、様々な分野の専門家をお招きし、日豪間の共同研究成果を披露する国際セミナーを、継続的に開催してまいりました。

 今回は本学を研究訪問されているクイーンズランド大学言語文化研究学科のSonia Broad氏にご登壇いただき、“Imagining Japan’s Australia: An introduction to Australian literature translated into Japanese”という題名で、1940年代以来のオーストラリア文学作品の紹介と、日本語に翻訳されたオーストラリア文学の歴史と傾向などについて説明していただきました。



 講演では、まず、先行研究に基づき、邦訳されたオーストラリア文学作品が時間軸で5つのフェーズに分けて紹介され、それぞれのフェーズにおける作品の特徴や相違点などについて詳細な分析が提示されました。また、AustLitのデータベースに掲載されている1940年代から現在までの邦訳されたオーストラリア文学の傑作1,300点ほどを取り上げ、それらの出版された背景や経緯について詳しく紹介、各々の時代の作品のトレンドやその影響についてオリジナルな研究成果と洞察が披露されました。さらに、原作と邦訳の間の出版タイムラグに焦点をあて、様々なジャンル(SF、ロマンス、犯罪、歴史、文学や児童小説など)にカテゴリー化、各ジャンルのタイムラグの発生要因などについて説明がありました。最後に、当該分野の著名な翻訳者・研究者の作品や興味深いエピソードも紹介されました。


ソニア先生 会場の様子
ご講演中のソニア氏 会場の様子



 セミナーの後半では、今回参加された本学の国際学部・国際教養学部の学生と講演者とのインタラクティブ・セッションを設けました。学生からは、「なぜオーストラリア文学の傑作の邦訳された作品に興味を持たれたか」、「お勧めの作品をご紹介ください」といった質問が次々とあがり、Sonia氏からも「どんなオーストラリア文学作品に興味があるか」、「原作それとも邦訳されたものを読まれたか」とのレスポンスがあり、熱い国際交流の場として盛り上がりました。

 

 

また、今回の国際セミナーは国際学部および国際教養学部との共催で学内向けに開催し(参加学生:約40名)、松宮学部長をはじめ、両学部の教員からも多数の質問やコメントがありました。

 

なお、開催にあたってはZoomを使ったオンライン通訳を導入し、対面開催でありながらも会場で通訳音声を聞くことができる形といたしました。

 

本セミナーは、本所のオーストラリア研究交流活動の一環として行われており、本学の国際教育や異文化接触・修養の促進にも期待できると考えています。

 

今後もこのような研究・教育交流活動を継続的に推進してまいりたいと思います。皆さんの積極的なご参加をお待ちしております。


 

 【本件に関するお問合せ】

 

オーストラリア・アジア研究所

TEL072-641-9667

E-mailcas@otemon.ac.jp