ホーム>新着情報>ニュース>【開催報告】豪亜研1/17異文化理解をテーマとしたワークショップ
【開催報告】豪亜研1/17異文化理解をテーマとしたワークショップ
掲載日時:2024年3月26日
 

2024年1月17日(水)4限にオーストラリア・アジア研究所、国際学部、国際教養学部の共催により異文化理解をテーマとしたワークショップ「カメラが映し出す希望: レジリエンス(回復力)としての写真の使用」を追手門学院大学 総持寺キャンパスにて開催し、国際学部1年生を中心にその他学生・教職員など70名を超える参加がありました。

 

1/17ちらし


講師には、インドで社会派フォトジャーナリストとして30年以上のキャリアを持つスダーラク・オルヴェさんをお迎えし、これまで撮影された写真とともにインドの根強いカースト制度のもと差別に苦しむ人々の状況、そして写真家としての信念についてお話いただきました。

 「異文化理解」はよく耳にする言葉ですが、私たちは自分が知っている世界とあまりにも異なる世界、異なる文化に触れたとき、どのようにそれを受けとめ、そして理解することができるでしょうか。自身の価値観を絶対としない柔軟な姿勢で、そして対等な目線を持ち続けることは、どこまで可能でしょうか。

今回、「カメラが映し出す希望: レジリエンス(回復力)としての写真の使用」と題し、社会の無知がもたらす差別に苦しむ男性、女性、子供たちの生活を共感的に撮り続けている写真家スダーラク・オルヴェさんをお招きし、現状への疑問と正義への要求というレジリエンス(回復力)の行為への取り組みについてお話しいただきました。

第一部では、国際学部の1年生21名が撮った「希望Hope」をテーマとする写真について一枚ずつ講評をいただきました。写真の多くは空や日の出を切り取ったものでした。オルヴェさんからは「光によって希望が美しく表現されているが、自然やモノよりも、ぜひ人物を撮って欲しい」とコメントをいただきました。オルヴェさんは人物を主に撮り続けていらっしゃいます。写真はただ撮るのではなく、その写真によって何を伝えたいのか、背景にストーリーのある人物写真をぜひとってほしい、と学生たちに向けてお話されました。

続いての第二部ではオルヴェさんご自身の作品を解説と共に紹介していただき、会場から質問を受けました。何世紀もの間、インドの根強いカースト制度は、ダリトと呼ばれる最下層に置かれる人々を容赦ない差別によって社会の片隅に追いやり、組織的に抑圧してきました。側溝や下水溝の掃除、死者の処理など、人間性を奪う仕事に従事させられているダリトたちは、いまなお人間としての尊厳を奪われることに耐えています。オルヴェさんの写真は、社会の無知がもたらす差別に苦しむ男性、女性、子供たちの生活を共感的に描写しています。写真は全て白黒です。会場の学生からその意味を問われたとき、オルヴェさんはインド文化における色が持つ意味(白=清浄、黒=不浄、悪魔)を写真に込め、あえて白黒で彼らの写真を撮り続けている、とお答えになりました。それ以外にも教職員をふくむ複数の参加者から質問が寄せられ、オルヴェさんはその一つずつに丁寧に対応してくださいました。

 第三部では主に女性を被写体としたプロジェクト作品を紹介していただき、つづいて再度、質疑応答の時間となりました。オルヴェさんはこれらの写真を撮ることで、現状への疑問と正義への要求というレジリエンス(回復力)の行為に取り組んでいます。写真に映し出される人々の姿から、わたしたちは過酷な環境の中にあっても消えない「尊厳」そして「希望」について学びました。二度目の質疑応答のセッションでも、会場からさまざまな質問が寄せられました。またワークショップが終了した後も会場に残り、オルヴェさんと楽しげに記念写真を撮ったり、熱心に質問をしたりする参加者の姿が印象的でした。

 

異文化理解は容易なことではありません。オルヴェさんの作品を目にし、その背景にある社会や文化について話しを聞いたこと、何よりもオルヴェさんと出会ったことは、学生たちだけでなく教職員にとって、異文化を理解するための貴重な第一歩となったことでしょう。

 

 【本件に関するお問合せ】
 オーストラリア・アジア研究所
TEL:072-641-9667
E-mail: cas@otemon.ac.jp