法学部が、2024年1月から地域連携の新たな取組みとして開催している「茨木市×追手門学院大学法学部連携講座」で、第2回と第3回の講座を茨木市立生涯学習センターきらめきで開催しました。1月26日(金)には小田直樹教授が「特殊詐欺への対応と刑法の限界」を、2月8日(木)には福島涼史准教授が「入国管理の理論と現実」と題する講座を行い、いずれも市民を中心に25名ほどの受講者が参加しました。
第2回に登壇した小田直樹教授
第3回に登壇した福島涼史准教授
小田教授は、罪刑法定主義等の刑法の基本原則、構成要件該当・違法・有責任という犯罪の定義、構成要件の捉え方を確認したうえで、特殊詐欺について、その定義と具体的被害状況、関連する刑法の規定、犯罪としての特徴を説明し、さらに、特殊詐欺への現下の対応に刑法上どのような問題があるかを示すとともに、新たな犯罪への対処における課題も指摘し、刑罰をもたらす法である刑法への市民の自覚を求めました。
また、福島准教授は、審査に際して基準がなく大幅な恣意的判断の余地が残る在留資格制度などの日本の入国管理制度について、旅券や難民条約などの越境に関わる制度の趣旨を参照しながら、本来は滞在を基本とする発想に転換すべきであると説いたうえで、移動の自由を個人の前国家的権利や社会契約説の考えに基礎づけ、そこから導かれる無差別性等の法的要請を確認する一方、市民の目線で何ができるのかを解説しました。
講演後には活発に質問や意見が出されました。
追手門学院大学法学部ホームページでは、今後の講座の予定や開催報告などを随時配信しています。
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