7月3日(水)、通算3回目となる法学部主催の2024年度第1回講演会(キャリア支援)「検察事務官をご存知ですか?~検察庁の仕事について~」を開催しました。講師には、大阪地方検察庁から、國井智香検事と在任期間27年、10年、3年と異なるご経歴をお持ちの検察事務官3人をお迎えしました。國井検事は在任19年で、昨年度まで神戸大学法科大学院等への派遣教員を務められました。迎える法学部生の側は、1年生を中心に150人近くが検察の仕事について学びました。
初めに、國井検事から挨拶があり、架空の事件をもとに、しかし実際に忠実に検察の仕事について作成された紹介ビデオが上映された後、検察事務官から、パワーポイントを用いて、検察庁の組織と職員、検察の仕事について説明されました。検事のほかに、検察事務官から試験を受けて任官される副検事も検察官として独立して権限を行使できること、検察事務官も検察官を補佐して捜査や裁判の執行業務に携わること、捜査から起訴、裁判、判決に至る刑事事件における検察の仕事の流れ、地方検察庁の業務は、検事と事務官が協働し、事務官が立証活動を補助する捜査・公判部門、証拠管理・記録等を行う検務部門、事務局部門の3部門に分かれていることなどについて、3人の事務官が、それぞれの3部門におけるご経歴・ご経験に即して説明されました。
質疑応答の際は、検事と事務官の協働の実際等に関する質問に対して、國井検事と検察事務官が対話形式で答えられました。質疑応答の中で、検察事務官の仕事が幅の広いものであること、検察事務官の仕事が検事の指揮に従うだけではなく、検事と事務官の個性に応じて様々な協働があり得ることが分かりました。検察官も人間だから情を感じることはあるけれども、証拠に裏付けられた事実に基づいて判断するのだという國井検事の言葉は印象的でした。