10月25日に総持寺キャンパスに姫路獨協大学教授の道谷卓氏を迎え、法学部が主催する2024年度第2回 講演会「篤志面接委員からみた少年院」を開催しました。
道谷教授は、自身の専門である「刑事訴訟法」と「刑事政策」について、「刑事訴訟法」は、犯罪と刑罰の内容を定める刑法とは異なり、刑法の定めを実現する手続法であり、また「刑事政策」とは、犯罪の原因を探る犯罪学と違い、犯罪を減らす現実的な対策を検討する学問であると学生に説明しました。
そのうえで道谷教授は、刑法犯の認知件数・検挙率等の動向もふまえ、わが国の刑事司法システムには、警察・検察・裁判所という刑事司法機関における司法的処遇と、刑務所等での施設内処遇のほかに、それらを社会内処遇(保護観察)へと移す種々のダイバージョンのしくみ(微罪処分、起訴猶予、執行猶予、仮釈放等)があり、各処遇の段階で重要な役目を果たす専門職員や民間篤志家が存在することを指摘しました。
なかでも自ら篤志面接委員として関与されてきた少年院との関連で、道谷教授は、少年法の基本理念が保護主義であるとの理解を基礎に、非行少年処遇のしくみ、少年法の適用範囲、少年院の矯正教育課程等を解説した後、非行少年処遇に携わる専門職員・民間篤志家として法務教官と篤志面接委員を取り上げ、その仕事内容と選任・委嘱方法を紹介しました。
来場した20名ほどの学生・教職員のほかに、10名ほどがオンライン参加し、罪者の矯正の職業についても経験に基づいてわかりやすく説明され、参加した学生の関心を大いに惹きました。
なお、道谷教授は2025年4月より追手門学院大学法学部に就任を予定しています。