ホーム>新着情報>ニュース>法学部主催 講演会「マチ弁の働き方とやりがい」を開催
法学部主催 講演会「マチ弁の働き方とやりがい」を開催
掲載日時:2024年11月8日

 10月30日、京都弁護士会所属の細田梨恵弁護士を講師に招き、「マチ弁の働き方とやりがい」と題する今年度第3回目となる法学部主催の講演会を総持寺キャンパスで開催しました。

 細田氏は、弁護士の働き方として、「法律事務所での勤務では、事務所の規模により顧客や取扱う事件やその専門性に違いがあること」、「会社内での勤務では、単発の事件としてではなく、会社の一員として長期的にかかわること」、「公務員としての勤務では、予防的な業務に加えて公的な政策にも関与すること」などを指摘し、ライフワークバランスの点での違いや課題も挙げました。

 次いで、細田氏は、マチ弁の業務として、裁判・調停等の業務、打ち合わせ、書類作成などの他に、被疑者・被告人との接見、被後見人との面談、弁護士会の委員会の活動、事件・事故の現地調査などがあり、事務所外での仕事も多い弁護士の実情を紹介しました。
 さらに、細田氏は、原告代理人としての丹念な調査・証拠収集が奏功し、裁判所が被告の過失を認めた民事事件や、被疑者には刑罰よりも治療が必要であると検察官を説得し、被疑者の社会復帰への道筋をつけられた刑事事件の経験を語りました。また、社会に大きな影響を与えた事件として、自ら原告弁護団に加わった旧優生保護法による強制不妊訴訟で、被害者の窮状を訴えて最高裁で全面勝訴を勝ち取り、優生手術の被害者に対する補償法の成立をみた経緯を自身の経験として紹介しました。

 最後に、細田氏は、「おかしいと思う自分の正直な気持ちに従い、その人のためになると思うことを思う通りに追求できる点が、弁護士の魅力」であるとし、「進路選択のひとつにしてほしい」と語りました。参加した100名ほどの学生・教職員に、弁護士という仕事のやりがいが十分に伝わる講演会となりました。