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遅 蘇琳 助教(理工学部情報工学科/2025年4月開設予定)の論文が 国際会議でBest Presentation Awardを受賞
掲載日時:2024年12月11日

 信号処理技術に関する国際会議 2024 IEEE 7th World Symposium on Communication Engineering (WSCE 2024) が2024年9月28日~30日に東京TKP東京駅カンファレンスセンターで開催され、遅助教が執筆を行った論文 "Channel Analysis and Adaptation for Distributed Blind Equalizer on Sensor Network in Long-Distance Communication System" が「WSCE 2024 Best Presentation Award」に選ばれ表彰されました。

関連リンク:研究者総覧(教員データベース)

左:理工学部情報工学科(2025年4月開設)着任予定 遅 蘇琳(チー スリン)助教

 
 信号処理技術における無線通信システムは「短距離通信システム」と、「長距離通信システム」があり、火災探知機や監視カメラなど建物内の無線センサネットワークのような有限の範囲で用いられているような短距離通信システムと違い、コントロールセンター等の外部送受信機を通して対象のエリア全体のセンサネットワークを管理するような(例:全自動農業など)長距離通信システムでは、無線センサネットワークの通信エリアの外からデータを送信してくるため、信号の処理技術はデータの送受信におけるチャネル(通信路)の特性に大きく依存しています。  

 そのため、国内外においても、ほとんど着目されてこなかった、送信側から無線センサネットワーク内の各センサまでの通信路特性の違いに着目して、新規の分散型ブラインド等化器(信号処理技術の1種)を利用して送信された信号をより正確に復元する研究に焦点を当てました。

 本研究では、4つの異なるチャネル環境を設定し、それぞれの環境下で信号を受信しそれをデータへ復元する「分散型ブラインド等化器」と呼ばれる器機の性能向上を目指し、チャネルの特性に応じて信号を復元する際のノイズ補正値を調整する「適応ステップサイズ法」を提案しました。「適応ステップサイズ法」を用いることで、より効率的な計算を行うことができ、コンピュータシミュレーションの結果、提案手法が従来手法よりも優れた性能を示すことが確認されました。

 遅助教は受賞に際し「本研究は、共同著者である島村先生をはじめ、多くの方々のご助力のもと成し遂げることができました。研究を進める中で直面した課題や議論等を通して得られた成果がこのような形で評価されたことが非常にうれしく思います。この研究成果を励みに、今後も研究活動にさらなる貢献できるよう努めてまいります」と話します。