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心理学部人工知能・認知科学専攻 杉本幸大さんが第2回インフォメーション・ヘルスAWARD 2024でグランプリ
掲載日時:2024年12月28日

心理学部人工知能・認知科学専攻で本田秀仁准教授のゼミに所属する4年生の杉本幸大さんが、NHK財団主催「第2回インフォメーション・ヘルスAWARD」アイデア部門でグランプリを受賞しました。

 

アイデア部門でグランプリを受賞した杉本さん

このコンテストは、インターネットやSNS上でのフェイクニュース、誹謗中傷、エコーチェンバーなどがあふれる現代において、「情報的健康」を維持し、健全な情報環境を実現するためのアイデアを募集して、表彰するものです。2023年に続き第2回目となった今回も、全国から多数のアイデアが寄せられ、学術界や産業界、グノシーやスマートニュース、LINEなどの情報配信プラットフォームを運営する企業の専門家などが審査を担当しました。

アイデア部門でグランプリを受賞した心理学部人工知能・認知科学専攻 4年生の杉本幸大さんは「きっかけ:異なる視点との出会いをSNSで」を提案しました。 SNSや検索エンジンが興味関心に基づく情報を優先表示することで、多様な視点に触れる機会が減少する「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」の問題に着目し、異なる視点と出会える仕組みの必要性を出発点としました。

本田准教授のゼミで認知科学の視点から人の意思決定に関する研究を行う杉本さんは、人が「何を言われるか」よりも「誰が言っているか」に影響される心理特性に着目しました。この特性を活用し、ユーザーが好意を持つスポーツ選手や芸能人などが発信する、自分と異なる意見を優先的に表示する仕組みを提案。多様な意見に触れる機会を自然に提供するアルゴリズムやユーザー体験を検討しました。

「人の意思決定は『直感的な判断』から始まり、その後に『論理的な判断』が行われるとされています。特に直感的な判断(ヒューリスティック)が多くの場面で用いられるため、SNSでも直感的に多様な意見に触れられるよう、好意を持つ人の意見を活用しました」と、杉本さんは提案で工夫したポイントを話しました。

杉本さんは来春、大学院進学を予定しており、「人は直感的でも妥当な判断ができる強みがあると考えています。人の特性や強みを明らかにして、『人ってうまくできている!』ということを証明して、人とAIが共存する社会を見据えた研究に取り組みたい」と目標を持っています。