追手門学院小学校

先生紹介
生きる上で大事なことを、関わり合いの中で育んでいく。

平田 和紀

平田 和紀

追手門学院小学校勤務

2017年入職

独自に培われてきた学校の文化や行事、価値観に共感して。

私は幼い頃からずっと水泳に打ち込んできて、大学でも水泳部に所属していました。そんな中、教員として働いた経験のある母親と、現役の教師である姉の影響もあり、教員免許を取得。その後、職場となる学校を選ぶ過程で、大学の先生から追手門学院を紹介されました。調べていくうちに、『臨海学舎』というものがあって、5~6年生を対象に海水浴場で水泳訓練が行われていることを知ります。これは時代とともに形を変えつつも、追手門学院で長く続いている伝統的な行事で、現在も行われているもの。自分が得意とする水泳を活かして教員生活を送れると思ったのが、ここを選んだ大きな理由のひとつです。


実際に働きはじめて感じたのは、礼儀や礼節を重んじる学校であるということです。「おはようございます」「ありがとうございます」「いただきます」「ごちそうさま」といった挨拶にはじまり、目上の人に対しては敬語を使うなど、細かい指導が行われており、おそらく公立の小学校では教わらないレベルで徹底されていると思います。これは長く培われてきたこの学校独自の文化であり、私自身もずっといわゆる体育会系の世界にいたので、同じく礼節に重きを置いて生きてきました。そういった面で、学校として大切にしている価値観にも共感ができています。

元気に登校し、楽しく過ごす。大切なのは受験だけではない。

2022年度は担任として6年生を受け持っていました。この学校では卒業後に公立の中学校に進む児童はあまり見られず、約9割が中学受験を行います。したがってほぼ全員が学習塾に通っており、学校の授業にプラスして夜遅くまで勉強をしている児童がほとんど。もちろん私も6年生を受け持つ担任として、志望校の合格に向けてできる限りのサポートをしてきました。しかしながら受験は人生における通過点のひとつでしかなく、そこですべてが決まるわけではありません。中学生になってから、また高校生や大学生になってからでも、自分の頑張り次第で、人生におけるさまざまな選択肢をつくり出すことができるはずです。

もちろん学校というのは勉強をするための場所であることは間違いありません。しかしもっと大前提として、社会の中で生きていく上で大事なことを学ぶ場所でもあります。たとえば友達に対しても言葉遣いに気をつけ思いやりを持って接すること、物を大切に扱うこと。私は子どもたちが受験中心の生活を送ることには、違和感を覚えてしまいます。小学校における最高学年である6年生ですら、まだまだかわいい子ども。元気に登校し、友達と一緒に楽しい時間を過ごすのも大事な時期です。勉強だけでなく、友人との関わりの中で気づくことや養えることも大切にしたい。私はそう考えて、保護者の方とコミュニケーションを図る際にも、中学受験のみならず、いろいろな選択肢があることを伝えてきました。

大きな責任とやりがいの中で、粘り強く。

この仕事のやりがいや醍醐味は、自分が行ってきた教育や指導が、児童たちの行動となって返ってきた時に得られるもの。特に勉強の成績が向上した時よりも、例えば人としての成長が見えた時などに、より強い喜びを感じます。もちろんすべての児童において、指導の成果が目に見える形で返ってくるとは言い切れません。しかし諦めることなく、粘り強く取り組んでいきたいと考えています。また特に低学年の子どもたちにとっては、今がまさに人格形成における初期段階です。私は勤めはじめて3年目に1年生の担任となりました。その時に、自分の教え方が、勉強という観点においても、人間性の部分においても、児童の生き方に大きな影響を与える可能性があることを実感します。したがってとても大きな責任を伴う仕事であるという自覚を持って、子どもたちと接しなければなりません。

この学校の先生たちは、年齢やキャリアなどに関係なく、「今よりも成長したい」という意欲を持っている人ばかり。「ベテラン」と呼べるような先輩方も、常に学びの姿勢を持っていて、教育における新しい考え方や方法論を取り入れたり、時代に合わせた授業を実践したりしている印象があります。もちろん私自身もそうあるべきだと強く感じていますし、同じ意識を持った方と一緒に働きたいと考えています。

学校を「自分の居場所」と思える場所に。

片岡 史奈

追手門学院小学校勤務

2012年入職

いちばん居心地のいい場所を、今度はつくる立場に。

私が学校の先生という職業を目指したのは、高校1年生の時のこと。進路を決めるタイミングで「学校こそが自分の居場所だ」と思えることに気づいたのがきっかけです。私自身、学生時代は家族よりも友人や先生と話す方が楽しく、気が楽でした。実際子どもたちは起きて活動している時間の大半を学校で過ごします。そこでさまざまな経験をしたり、悩みを解決したりします。そんな学校という場所を私にとっていちばん居心地のいい場所にしてくれていたのは、紛れもなく先生たちです。そして自分もその立場になりたいと考え、教育学部への進学を決めました。


私は大阪育ち。小学校受験も経験しているので、追手門学院のことは小さな頃からよく知っていて「頭のいい小学生が通う優秀な学校」というイメージを抱いていました。私も小中高と私立に通っていたので、自然と私立の先生を目指すようになり、大学4年生の就職活動の際に、この学校の求人を発見。募集は毎年行われているわけではないことも知っていたので「いまだ!」「ここしかない!」と思い、結果的に採用をいただいて、そこから12年が経って現在に至っています。

まずは聞いて考える姿勢を。学校でしかできないことの中で。

私が先生として大切にしていることは大きくふたつあります。まずは「聞く」ということです。先生の話だけではなく、友達の話もよく聞いて、その上で自分で考えることの大切さを低学年の担任になった時には必ず伝えています。人の話に耳を傾けられないと、その結果として周りが見えなくなったり、自分の思った通りにできないとすぐに不安になってしまったりする状況が多くあるように思えます。特に私学の場合、まわりの友人と自分の属性が似通っていることが多く、公立の学校と比べて“違い”を認識する経験が少なくなりがち。しかし物事に対する考え方や問題にぶつかった時の解決方法などは、人の数だけあるので、自分の意見だけに固執したり、偏った考え方になったりしないよう、たくさんの人の意見を聞いて「こういう考え方もあるんだ」ということを知ってもらいたいです。

そしてもうひとつが「学校じゃないとできないこと」を進んでやらせるということ。この学校の児童たちは、中学受験をする児童が多いので、高学年になるとプレッシャーを感じていると思います。だからこそ学校では、友人と笑顔で接したり、一緒に何かをやり遂げたりする経験をたくさんさせてあげたい。それが私の思いです。1人で勉強する時間は他でもたくさんとれるはず。学校は仲間達と過ごす大切な場所です。ですので、授業においてもチームになって「協働学習」というカタチを増やしています。

女性も働きやすい環境で、常に議論を重ねながら進めていく。

この学校には特有のアットホームな雰囲気があるのか、卒業生が頻繁に学校に顔を出してくれます。かつて私もそうだったように、みんなが「ここが自分の居場所だ」と感じてくれているのであれば、とても嬉しいですね。そういった時はいつも「あの時は〇〇だったね」と思い出話で大盛り上がりしています。10年以上が経ってなお、当時の私の発言を覚えてくれている卒業生もいて、教師冥利に尽きます。

逆に最近、難しいと感じるのは、時代の流れの中で変わっていく子どもたちとの適切な接し方や距離感に関して。私が先生として働いているこの12年の間だけでも、例えば「児童とのスキンシップがどれくらいOKなのか」という基準は大きく変わりました。やはり低学年の児童たちはまだまだ大人に甘えたい年齢なので、先生にもどんどん触れてきます。しかしそれにどこまで応えてあげるべきかは難しいところ。ただそういった現場で起こる問題や疑問などに関しては、先生間でフランクに議論できる風土があるので、常に意見交換をしながら対応策を探っていくことができます。

ちなみに私は育休と産休でお休みをいただいた後、復帰して現在3年目。学校としても全力で育児との両立をサポートしてくれますし、女性も働きやすい学校だと思います。私自身、出産を経て保護者としての視点からも児童たちを見られるようになりました。