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茨木市×法学部連携講座 第10回講座を開催
掲載日時:2024年8月7日

 7月21日に法学部の三成美保教授が、「茨木市×追手門学院大学法学部連携講座」通算第10回講座として、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)とは何か?~その克服に向けて~」と題する講演を、茨木市立男女共生センター ローズWAMにて行いました。

  

                                        

   追手門学院大学 法学部 三成美保 教授


 三成教授は、内閣府男女共同参画基本計画や内閣府調査等に則してアンコンシャスバイアスの問題の諸相を丁寧に説明した上で、言語分析による形容詞の性差調査等をふまえてその実例を示し、無意識に行われる「ささいな」攻撃としてのマイクロアグレッションにも警鐘を鳴らしました。
 また、誰が・どう困るかという観点から、製品開発や医療の在り方等に潜む「人間=男性」モデルの危険を説く一方、母性バイアスの起源としてのルソーの見解、戦後日本の「標準世帯」モデルを典型とする「母性」呪縛の一般化の傾向、さらに、とりわけ男性に関係する大黒柱バイアスの罠や、「大黒柱」呪縛と「母性」呪縛の補完的関係について批判的に論じました。  

 最後に、三成教授は、無意識を意識に変え、ジェンダー主流化の国際的潮流に日本も倣うべきであるとして、社会・家族・自分の心の壁を壊すとともに、何よりまず強制力をもつ法・制度面での改革が求められることを力説しました。
 参加された約50名の方々が、ジェンダー法学の第一人者である三成教授の講演に熱心に聞き入っていました。