2024(令和6)年度当初予算概要について

2024(令和6)年度 当初予算について

Ⅰ.予算編成にあたって

 
 学院を取り巻く状況は、今年度に入り、新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が徐々に緩和されたことに伴い、脱マスク化や飛沫防止パーテーションの撤去が進むなど、学校生活が正常化へと向かっており、今後様々な学校行事や海外プログラム等の活動の再開が期待されています。一方で、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格・原材料価格の高騰や、世界的な金融引き締めによる急激な円安を背景に物価上昇が続いています。

 教育業界では、2020年度以降小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、大学入試における「大学入学共通テスト」への移行、さらに2022年度からは、高等学校で新学習指導要領が実施されるなど、制度面から教育改革が進んでおり、またコロナ禍を契機としてオンライン型教育の需要が急激に高まるなど、社会環境の変化に応じた新たな学習形態やコンテンツが求められています。一方で、少子化によるマーケット縮小は止まるところを知らず、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、私学間競争はさらに激しさを増すばかりです。

 このような環境の下、本学が未来に渡り生き残っていくためには、第Ⅳ期中期経営戦略で掲げたビジョン実現を目指し、各学校園が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、また教育環境の整備・拡充を進め、学院のブランド力を確固たるものとしていかねばなりません。

 この達成に向け、新たな取組を進めるために資金が必要となることは致し方ないことですが、支出できる資金には限りがあります。とりわけ、来年度からは大学における2025年度からの総持寺メインキャンパス化を控え、その準備のために多くの資金需要が見込まれており、また、その後も安威・総持寺の2キャンパス体制の維持によるランニングコストの増により、学院全体の年間コストは大きく増加する見込みとなっています。

 これらに対応するため、大学では理系学部の設置や既存学部の定員増を計画しており、また今後さらなる定員増や授業料の値上げも視野に入れ、収入増を図っていく予定ですが、支出面についても、あらためて見直しを考えていかなければなりません。

 来年度の予算要求にあたっては、限られた資金を有効に活用するため、全ての部門で今一度予算編成にあたって業務や取組を見直し、本当に必要な支出であるか徹底的に精査をお願いします。

 あらためて言及するまでもなく、本学の収入は園児・児童・生徒・学生の保護者から頂く授業料(保育料)が事業収入の70%を占めており、次に収入規模が大きい補助金と合わせると事業収入の85%強となります。このことを念頭において、常にその経費は授業料(保育料)または補助金をもって支払うことに値するのかを意識して予算要求を行っていただきたいと思います。

 将来の不確実性に備えるとともに、学院の安定した経営を目指すため、より一層のご協力をお願い致します。

Ⅱ.予算編成の方針

【未来の働き方を意識した長期視点での投資】
【入口・出口戦略など選択的・集中的な資金投下】
【スクラップ&ビルドの徹底】
【費用対効果を十分に意識した事業計画】
【補助金(外部資金)の計画的・積極的な獲得】


Ⅲ.収支予算の要旨


主な事業計画

法人・大学

(単位:百万円)

事業名 事業内容 当初予算
総持寺キャンパスⅡ期棟工事および整備 2025年4月の稼働開始を目指し、2022年度から2024年度にかけて総持寺キャンパスⅡ期計画工事を実施している。今年度は計画3年目にあたり、工事進捗に応じた代金の支払いを行う。また、総持寺Ⅱ期棟の研究室、ラウンジ、イノベーション空間等に設置する什器、電話/無人受付システムの整備を行う。 9,444
理工学部開設に伴う施設および機器備品等の整備 2025年4月の理工学部開設にあわせて、教育研究上必要な施設および機器備品等の整備を行う。 842
総持寺キャンパスⅠ期棟システムリプレース 総持寺キャンパスⅠ期棟のネットワーク機器について、導入後より6年目を迎えたことで、老朽化による故障のリスクが高まっている。そのため、再設計を行ったうえで、当該システムの後継となるネットワークを構築する。 312



中・高等学校

(単位:百万円)

事業名 事業内容 当初予算
ティーチャーステーション、ネットワーク改修 将来に亘る様々な教室配当に対応できるように、ティーチャーステーションに可動扉を設ける改修工事を行う。ネットワーク改修を行い、同時接続数、通信速度の改善・安定化を図る。 66
広報DX・ホームページ改修 デジタル広告から出願までをトータルで運用する広報DXを軸に、受験者層の傾向を踏まえたホームページ刷新を行い、志願者の更なる確保と入学率の向上を図る。 9



大手前中・高等学校

(単位:百万円)

事業名 事業内容 当初予算
教員PC環境整備 教員用PCについて、老朽化による故障のリスクが高まっていることを踏まえ、PCの更新、ネットワークのセキュリティ対応を行う。 10
自習室運営 教育の個別最適化による生徒の第一志望進路実現100%の達成を目指して2021年度より導入した自学自習プロジェクトを継続し、生徒の自学自習を支えるサポート体制の充実を図る。 5



小学校

(単位:百万円)

事業名 事業内容 当初予算
計画修繕 教育環境の向上と四棟の校舎の長寿命化のため、計画的・効率的な施設設備の改修を実施する。 22
デジタル教科書の本格的導入と、それに伴う設備・機器の増強 文部科学省による2024年度からのデジタル教科書の本格的導入に伴い、ICTの拡充並びに機器の更新を行う。 12



幼稚園

(単位:百万円)

事業名 事業内容 当初予算
園庭づくり(Ⅱ期) 園の保育環境のメインを構成する園庭について、抜本的な改修を⾏う。園児の興味や関⼼を刺激し、園児が⾃発的に遊びに向かい遊びに没頭できる要素を園庭に組み込むことで、園児の主体性を育む教育保育を推進し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が⾃然に育まれることを目指す。 6
HPリニューアル 選ばれる園であり続けるために、未就園児保護者層に対する本園の認知度向上を図る。その一環として、ホームページの大規模リニューアルおよびコンセプトブックの導入を行う。 3