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2020.05.21

周囲への意識と話し方の磨き上げ

 オンライン授業も、既に学期のちょうど半分あたりに差し掛かりました。画面越しのコミュニケーションにも慣れてこられたでしょうか。
 
 皆さんの言葉は、相手にうまく伝わっていますか。聞き取りにくい時、字幕があればと思ったことはありますか。
 実は、言葉は、その音や文字だけでは、意味は伝わりません。相手が「あ」という音を発しても、それが、驚きを示す語なのか、英語の一つを示す「a」なのか、古語の自分を意味する「吾」なのかは、それだけでは決められません。相手の顔が驚いているか、英語圏の人か、古典の授業中であるか、とにかくその場の文脈(コンテクスト)が最終的に意味を決定します。相手の顔が映っている時と映っていない時とでは、言葉の伝わり易さは全く異なります。
 話の分かりやすさとは、発音の明瞭さではなく、文脈をいかにうまく伝えているかのことなのです。
 
 もう一つ、話が上手い人には特徴があります。
 授業中に意見を求められて発言する時、皆さんはいったい誰に向かって話しているのでしょうか。もちろん、尋ねた教員に対して、というのが第一義ですが、実は、その先生にだけではなく、自分の答えに耳をそばだてている周りのみんなのことも意識しているはずです。我々は、先生と一対一の対話を行っているわけではありません。これが、発言の真の姿です。
 
 先生は質問の意図をよく分かっているので、先生に向かって話す時には、要点を絞り、簡潔に意見だけを話す方がよく伝わります。しかし、周りのみんなには、状況説明を適宜加えながら話す方がわかりやすい。この双方の配慮を持った発言が、教室全体を盛り上げる発言となると、とりあえずは言えます。
 発言の際に、聞き手を意識する。この意識のあり方が、その人の話し方の個性を作ったり、その人の評価を決めたりします。
 
 マスコミにも取り上げられましたが、本学では今、企業と協力して、オンラインでのインターンシッププログラムの開発を考えています。また、就職活動において採用活動のオンライン化も進むと思います。話を意識した発言を心がけてみてください。話し方はきっと良い方向に変えられます。期待しています。

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