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2024.01.11

何に手を合わせているのか

 明けましておめでとうございます。初夢は見ましたか。そもそもどれが初夢だったのか曖昧なので、私は昔からもやもやしてきました。0時を廻って初めてみる夢が初夢だと思っていたのですが、2日の夜だ、いや3日だと諸説あるのを知り、その議論の方が気になり、肝腎の夢の内容はすぐに忘れてしまいます。
 お正月は毎年、判で押したような過ごし方を繰り返しています。0時になると先ず村の鎮守の杜本神社に詣でます。帰宅後シャンパンで乾杯し、いったん眠り、朝、屠蘇でまた祝い、それからは何もしてはいけないことになっています。2日は朝風呂の後、2駅先の道明寺天満宮に初詣です。形式的なルーティンですが、そうしないと心地悪く感じます。

 大晦日、近くの大黒寺から除夜の鐘が聞こえます。その一週間前まではクリスマス気分でした。7日間ほどの間に、キリスト教と仏教と神道の行事が、同じ人に同程度の身近さでやってくることは、日本人の宗教観を考えるのに実に示唆的です。
 三が日が過ぎてから、エジプトに旅行してきました。イスラム教徒が多いエジプトですが、1月7日がクリスマスとのことで、ホテルや街のあちこちにクリスマスツリーが飾られていました。しかしながら、人々の信仰の対象は、イスラム教かキリスト教のいずれかに限定して向けられているようです。

 昨年11月25日に開催された関西広域連合協議会主催の学生等意見交換会において、本学経済学部の藤好ゼミのチームが、神社や寺の歴史や文化を観光のコンテンツにする政策提案を行い、特別賞を受賞しました。その報告に横田和磨君、庄司兼三君、徳島祐成君、小中玲奈さん、横松隆司君の5人が、学長室に来てくれました。彼ら自身も、寺社のことをあまり知らずに詣でたりしていたことを再認識したようです。
 寺社におけるやや儀式めいた振る舞いについても、我々は、いつの間にかそうするように学んできました。これについてあまり疑問を持たないのは、思考の自動化とも見えます。その一方で、儀式化には長年積み上げられた文化的な薫りが感じられるのも事実です。この両面について考えるだけでも、日本のことがもっと見えてくるかもしれません。
 さて、我々は、本当は、いったい何に手を合わせているのでしょうか。

上段:左から徳島さん、真銅学長、横松さん、藤好先生
下段:左から小中さん、横田さん、庄司さん

真銅学長にプレゼンする様子

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