ホーム>大学紹介>学長メッセージ 言伝>学長メッセージNo.56 窓の連想

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2021.10.12

窓の連想

 大学校友会は、1971年に、大学同窓会将軍山会として結成されました。
先日、この大学校友会の結成50周年を記念するモニュメントの除幕式に参加してきました。総持寺キャンパスのアカデミックアークの入口左に、絹谷幸太さんの手になる、大学と校友のつながりをモチーフとした石造りの像が設置されました。
除幕は校友会の藤尾政弘会長、製作者の絹谷さん、それに、川原理事長と私と、学友会追風委員長の八木宥磨君の5人で行いました。
式には追風副委員長の高尾凜太朗君、中田萌子さん、岡田大来君の3人も参加してくれていました。日曜日なのにご苦労さんと声をかけると、八木君がマスク越しに、まっすぐな目で、「追風は年中無休ですから」と答えてくれたのには、少しグッときました。

 校友とよく似た言葉に同窓生があります。同窓生はなぜ窓を同じくするのか。
『晋書』の「車胤伝」に、車胤という人物は貧しかったために蛍の光を集めて読書したとあり、また同時代の孫康という人物は窓辺の雪明かりで書物を読んで、勉学に励んだと伝えられています。
いわゆる「蛍の光、窓の雪」です。その苦学の場の一つである窓辺が、勉学を比喩する言葉となり、同じ場所で勉強した仲間を同窓生というようになったというわけです。

 しかしながら、窓という言葉は、窓辺のイメージより、やはり、内と外との境界性を強く示し、閉じていたものが開かれることの積極的意味合いを伝えることが多いようです。

 最近、Microsoft Windows11が発表されましたが、今から思えば、MicrosoftがそのOSシリーズにWindowsと名づけたことは実に興味深いことです。これらがインターフェースの新しい窓を切り開いたことは明らかです。
またSONYが、「窓」という「テレプレゼンスシステム」を提供し始めました。臨場感と気配を大切にした遠隔コミュニケーションのためのシステムとのことです。今あるテレビ会議システムなどをさらに発展させるものを、敢えて日本語で「窓」と名づけたことには、魅力を感じます。

 プラトンに「目は心の窓である」という言葉があります。どんなに遠隔用の映像機器が進展しても、本学に集うものすべてを示す広義の「校友」の間では、お互いの心の窓である、目を見つめ合う関係性は大切にしたいものです。



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