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2023.12.07

闇と光の感動曲線

 あっという間に年の瀬です。もう街には、クリスマス気分が満ち満ちています。
 追大Candle Night 2023が、12月9日に開催されます。今年は14年目で、これまでと違い、学外の茨木市中央公園北グラウンドおよび希望の泉での開催です。学生統括の平山慧君(経済学部3年)が学長室に案内に来てくれました。学内開催とは異なる苦労も多々あったようですが、市の中心部で行うことで、より多くの人に見てもらえることも期待しているとのことです。

 冬は空気が冷たく、澄んでいるせいか、光がとりわけ映える季節です。
 本来、夜は暗くて恐れや不安を伴う時間帯ですが、人間が火を操るようになり、灯火により不安は取り除かれ、昼同様の安心感のある普通の時間帯となりました。そしてさらに、光を装飾的に彩るという、機能以上の価値付与がなされた時、光はただ闇を照らすためのものではなく、美しい芸術にまで昇華します。
 この文化の進展の三段階の軌跡は、決して直線的ではなく、マイナス状態から普通、そして大いなるプラスへの、反動的に弾みをつけた発展経路です。様々な危機や不安、心配事は、それが取り除かれて普通の状態に戻るだけでなく、それがあったからこそ、普通以上の喜びや感動に変化することがあります。これは、「感動曲線」とも呼ぶべき心の動きをも示しています。

 12月3日に行われた、2023みんなでダンスin Ibarakiプロジェクト「森田かずよさんといっしょにつくるダンス公演『だから、あなたと奏でるカラダ〜障害のある人もない人もいっしょに踊ろう〜』」に参加した学生たちも、同じような軌跡を感じ取ったようです。地域創造学部4年の草山ゼミの青木昌親君、笠松洸太君、浅田尊君、柴田優さんが、学長室に報告に来てくれました。
 例えば、障害を持つ子供たちとの接し方が分からず戸惑った時も、一緒に踊り始めるとその障壁がなくなり、身体と心で分かり合えたことに感動したとのことです。ダンスを介したこのような体験が「芸術体験」です。
 学生の皆さんにも、何らかの形で「芸術体験」による感動を味わってほしいと願います。実用的な技術や科学や芸術文化は、いずれかを選べばいいというようなものではなく、どれも人間らしくあるために必要なものなのです。
 さあ、この冬、何か始めてみませんか。

▼追大Candle Night 2023の開催案内はこちら

   

▼森田かずよさんといっしょにつくるダンス公演 練習中の様子

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