舞台表現プロジェクトSTEPの第10回公演「ボクモ、僕も」(写真撮影:飯田拓)
大学紹介
2022.11.22
本学には、今年4月から、ICTやデジタルの活用を中心に、学生の学びに最もマッチした教育環境を提供する、MATCH推進センターという組織が置かれました。
ここ数年のデジタルの活用とオンライン化の画期的進展は、授業や学生生活、我々教職員の働き方を決定的に変えました。高度化されたLMSやテレビ会議システム、オンライン決済システムなどのデジタルの技術により、我々は、キャンパスに赴かなくとも、授業を受けることができ、仕事もこなすことができるようになりました。やや大げさに言い換えれば、我々は、学びや働き方において、場所や時間の制限から解放されたのです。
このような時代において、大学には、改めてどのような「場」としての意義が求められるのでしょうか。キャンパスに来ることには、どのような意味合いがあるのでしょうか。
その答えの一つを意外なところで教えられました。本学の舞台表現プロジェクトSTEPの第10回公演「ボクモ、僕も」の中の、神崎想一のセリフです。今回はこども食堂をめぐる諸問題を扱ったものでした。
かつて自らもこども食堂に通い、今はボランティアとして関わっている想君は、ただご飯が提供されることが大切なのではなく、誰かと一緒にご飯を食べることが大切なのだと、近所の人々に訴えます。たどたどしいセリフながら、強い説得力をもって観客に迫ります。ここの「ご飯」は、「授業」とも「仕事」とも置き換えることが可能です。
今年の学園祭は、久しぶりに、人がキャンパスに集まる形で行われました。2日間で、合わせて1万人近い来場者がありました。なぜこんなに人が集まるのか。第一に、人と人とが会うことの喜びや楽しさ、第二に、そこでより良いコミュニケーションを求める気持ち、そして第三に、それらが多く集まって、祭となり、より大きな全体の繋がりとなる喜び。これはイベントならでは、ですが、大学という存在もまた、授業や課外活動、友達との会話などの総体として考えれば、毎日がイベントなのかもしれません。
我々に身体がある限り、いつまでも居場所が必要です。その居場所における体験を、あらゆる側面において、目に見える形で有意義なものとして示す場所。大学に求められているのは、その具体性なのかもしれません。
舞台表現プロジェクトSTEPの第10回公演「ボクモ、僕も」(写真撮影:飯田拓)
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