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2020.06.11

生活のデザインと自己のコントロール

 自宅にいることが多いと、ただでさえ運動不足で体力が落ちるものです。ましてや、授業の課題のみならず、動画資料の視聴やオンライン議論などまでパソコンで行っている現状は、普段以上に首や腰の痛み、眼の疲れなどを引き起こしやすい危惧すべき環境下にあるものと思われます。
 
 また、ずっと自宅で過ごした夜には、睡眠時間は足りているのに、悪い夢を見るという話もよく聞きます。
 皆さん、自分の体力や健康をうまく管理できていますか。
 そもそも大学生活は、高校生の頃までと違い、週に何時間かの体育の時間があるわけでもなく、授業や課外活動も自らその時間を決定することが原則であるので、自己管理にはことさら自覚的になる必要があります。
 
 この度、この環境を少しでも改善すべく、社会学部の巽樹理先生にお願いして、ストレッチの動画を作ってもらいました。題して「座ってできる簡単ストレッチ①肩・肩甲骨まわりの緊張をほぐす」。どうぞご覧になって、日々意識的に身体を動かし、自分の身体の調子を整えてください。
 
 ところで、人間は毎日、どの程度の運動を行うべきなのでしょうか。現代は人類がかつてないほどパソコンにしがみついて仕事や作業を行う時代です。この時代に、我々の身体は、どの程度の運動を欲しているのでしょうか。読書の習慣は昔からありますが、ひょっとすると「晴耕雨読」という言葉も、読書と運動とのバランスについていう言葉なのかもしれません。
 
 作家の三島由紀夫が剣道五段で、三十歳を過ぎてからボディ・ビルを始めたことはよく知られています。夏目漱石も、留学中のロンドンで自転車に乗る練習をしていました。「自転車日記」という文章も残っています。勉強のしすぎで鬱々としていたとされる漱石のロンドン生活ですが、意外に楽しそうなこの練習は、体力と知力のバランスを考えての行動かもしれません。着物が普段着であった明治の時代に自転車に乗ることは、今ほど一般的ではなかったはずです。あの漱石が一所懸命自転車の練習をする姿は、想像するに実に微笑ましいものがあります。
 
 ぜひ皆さんも、自らの生活をデザインして、体力をコントロールしてください。大切なのは、バランスです。

▼座ってできる簡単ストレッチ ①肩 ・ 肩甲骨まわりの緊張をほぐす
https://youtu.be/HVyg5P6C5OQ

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