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2020.06.18

メッセージの二重性またはメタ思考

 6月も中旬になり、北海道以外の全国で梅雨入りしました。ただし、梅雨入りという事象は正確には無いそうです。
 
 この度、広報課の皆さんが、大学のウェブサイトに「言伝(ことづて)」というページを作って下さいました。Campus Squareに掲載してきた学長メッセージを集めたものです。自宅にいる学生の皆さんの歩調を意識して、毎週一篇のペースで書き続けてきました。
 
 今回は、「言伝」開設に当たり、「学長メッセージについての学長メッセージ」を届け、このような「メタ」なるものについて考えてみます。
 
 例えば、或る授業で先生が、「私の言うことなど信じなくていいよ。疑いなさい。そこから学びが始まります」とおっしゃったとします。この先生の言葉は、信じないでおくべきでしょうか。
 このことを考える時、我々は、あるメッセージについて、二重の思考をしていることに気づきます。一つは、言葉の内容の理解に関わる思考。もう一つは、先生がなぜそのような事を言うのか、その意図に関わる思考です。「信じる」次元が二重になっています。このように、物事を二重の次元で考えることがメタ思考です。
 メタ思考的なものは、世に溢れています。例えば「読書について書かれた本を読むこと」や「映画を作る映画」、「脳科学者の脳の研究」などです。石川淳という作家に「佳人」という事実上のデビュー作がありますが、その冒頭には、小説を書き始めて書けずにいる作家が描かれています。
 このように、次元を超えた思考をすることで、我々は、単純な次元の出来事を、もう一段上から客観的に見直すことができます。
 
 漢字という漢字。日本語という日本語はあるが、英語という英語はない。
 どうですか。思考が柔軟になってきませんか。その意味でもメタ思考はお薦めです。
 最近では、オンラインの利害についてオンラインで議論する、というのもメタ思考的な行為ですね。
 
 「言伝」という言葉には、この二重性の意味を込めました。内容とともに、この言葉を書くことで私が何を伝えたいのか、その真の意図を、内容とは別にメタレベルで考えていただければ本望です。
 
 このような学長メッセージを書くことで、もっとこれを読んでもらおうとすること。実はこれが真の意図です。

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