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2020.06.25

質問上手、答え上手になるために

 毎年のことですが、追手門UI論の授業に登壇してきました。といっても、今年はオンライン授業用の動画収録でしたが。
 
 例年と違い、学生の皆さんの顔が見えないことが、予想以上に勝手が違って苦労しました。教員は、演習はもちろん、講義で話す場合にも、学生の反応に強く影響を受けます。学生の反応を見て、自分の講義がうまく伝わっているかどうか、確認しながら、随時話の内容を変えたり、声のトーンを変えたりします。そのため、反応がないままに同じ調子で話し続けるのは難しいのです。 
 
 せめて少しの臨場感でも、と、動画収録は、受講者が事前に書いた「日々の学習や大学生活に関する近況報告」と「大学に対する要望や意見」を代読する梅村修先生と清水栄子先生に答えるという、インタビュー形式で行いました。学期当初からオンライン授業が始まったので良かった、慣れてきた、オンラインも楽しいという嬉しい意見も多く見られた一方、提出課題が多すぎる、課題のためにだけ授業を聞いているよう、などという意見も多く寄せられました。

 ところで、皆さんは、誰かに対して意見や質問を述べよ、と訊かれたとして、素朴に意見や質問内容だけを考えるでしょうか。実はここでは、質問力とでも呼ぶべき力が暗に試されています。
 質問者は多くの場合、大体の答を予想しています。こう訊けば、たぶんこういう答が返ってくるであろう、と。しかしながら、答があまりにその予想通りだと、最初から訊かなくてもいいわけですから、質問したかいがありません。そこで、答にやや失望します。
 かといって、予想もつかないような質問をすると、答もそもそも期待していないものなので、的外れな答にがっかりします。
 我々は普段、思う通りの答を期待しながら適当に裏切っても欲しい、という、二律背反するような態度で質問しているわけです。
 うまいなあ、と思える質問とは、答が決まり切ったものではなく、相手の予想を少しだけ上手に裏切り、質問以上の答の価値を与えて、相手を感心させるようなものです。これに対する答え方も同様です。
 自分の質問の意図を再確認し、より深い質問ができるよう意識してみてください。質疑応答の高度な技術が身につくかもしれませんよ。

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