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2021.06.18

「日本文化」の学びと真の国際化

 来年2022年4月から、現在の国際教養学部を改組し、文学部と国際学部の2つの学部を立ち上げる計画を進めています。
 文学部は正確には「復活」であり、日本文学専攻、歴史文化専攻、美学・建築文化専攻の3専攻を設置する予定です。OIDAI CONCEPT BOOK 2022には、学部長就任予定者である西尾宜明先生により、「学びのキーワードは「日本文化」」、「無意識で身についた日本の精神や、海外からの視点で初めて気づく日本の美も研究対象」と書かれています。

 留学から戻った学生が、留学先で出会った様々な国々の学生たちに、「日本はどのような国なのか」と訊かれたという話はよく聞きます。多くの場合、うまく答えられずに戸惑った、とのことです。確かに、いきなり歌舞伎と茶道とアニメの共通性などを訊かれても、困りますね。我々は「日本文化」について、体系的にまたは論理的によく知っているとは言い難いようです。

 例えば、三味線には左利き用のものがあるのでしょうか。ギターなら、ポール・マッカートニーが使っているようなモデルはたくさんあります。もちろん、左利き用の三味線を造ること自体は容易でしょうが、演者が舞台などに窮屈に並んだ際のことを思い浮かべると、実に不都合にも思えます。
つまりこれは、場と関係性の問題のようなのです。
 そういえば、人形浄瑠璃文楽の人形遣いは、三人で一つの人形を遣いますが、主遣いは、胴の中心と右手を担当します。この場合、すべての役どころは右利きということになるのでしょうか。
 茶道の道具に、左利き用のものはあるのでしょうか。お点前や生け花の作法はどうなのでしょうか。
 着物を着る際、前合わせは必ず右前(右が肌側)となっています。懐紙や扇子を入れる都合もあるでしょうが、左前に着るのは経帷子だけで、避けるべきこととされます。ここに右利き左利きは関係ありません。
 そもそも、習字の止めや払いに明らかですが、日本語の文字は右利きで書かれることが前提のようです。

 もちろんこれらは、左右の優劣の問題などでは決してなく、また、多様性の本質的な議論とも別の、左右をめぐる「日本文化」についての一考察です。
 文学部に限らず、「日本文化」を意識して学べば、改めて気づくことも多いはずです。

▼文学部 紹介ムービー
https://www.youtube.com/watch?v=1teHi0T-HaI&t=7s

▼国際学部 紹介ムービー
https://www.youtube.com/watch?v=UK_YpnAqcBs

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