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2021.04.07

今年度を本学の教育DX元年に

 本学は、3月11日、文部科学省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」という事業の実施機関に選定されました。全国の大学から252件の応募があり、そのうちたった54件だけが採択された、誇れる選定です。
 この事業は、大学や高等専門学校において、デジタル技術を積極的に取り入れ、「学修者本位の教育の実現」と「学びの質の向上」に資する取組を進めようとする大学に対して、その環境整備のために、文部科学省が財政的に支援するものです。これまでの本学のOIDAI WIL とOIDAI MATCHの取組に対して、お墨付きが下されたことをも意味します。

 デジタルの対義語はアナログとされます。両者の相違は、時刻を針で示すか数字で示すかという表示法の相違で喩えられます。ただし厳密には、秒針が、スーッと途切れることなくスムースに回っている時計はアナログ時計で、一秒ごとにカチカチと針が進む時計はデジタル時計と呼ぶべきです。
 昔は、レコード盤とCDで聴く音楽の違いを、アナログとデジタルと言えば、人にもだいたい伝わったのですが、今は難しいかもしれません。
 アナログならば、0と1の間には、0.2とか0.333333…とかの数字が無限につながって存在していますが、デジタルはこの連続を断ち切り、0と1しかないものとして処理します。これがコンピュータの2進法の原理でもあります。そのために、デジタルと言えばICTなどを中心に指すイメージが出来上がっていますが、本来の意味では、そろばんも、非連続なのでデジタル計算機です。

 またこれは言語学にも応用できる考え方です。人の発する音は、考えてみれば、例えば日本語の50音に限るはずはありません。私が話す「あ」の音と、他の人の「あ」の音が同じとも限りません。つまり、音声は無限に存在します。しかしそれでは言葉として意味を判別できないので、「あ」という範疇に、みんなの「あ」の発声音を入れ抽象化した音韻と呼ばれるものを作り上げました。音声学と音韻論とは、全く別の学問です。どうですか? 面白そうではありませんか?

 ここにも、理系か文系かを超えた学問の種が落ちています。DXを推進することは、決して理系化することではありません。文系と理系の別を超えて、思考を新たな次元に運ぶものなのです。

●文部科学省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」の詳細は以下のリンクより
 https://www.mext.go.jp/content/20210311-mxt_senmon01-000013151_1.pdf

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