インタビューをする学生3人
インタビューの様子
大学紹介
2022.05.12
今年も動画で、「追手門アイデンティティ」の「学長と出会う」の回に登壇しました。受講生は1年生で、彼らから事前に集められた質問と、私の『言伝』などを素材に、国際教養学部4年の曽我部菜々子さん、心理学部3年の古田悠人君、社会学部2年の丸井涼加さんから、大型連休前に学長室でインタビューを受けました。
履修生からは、昼休みがなぜ30分しかないのか、なぜ授業時間が105分なのか、などという質問が多く寄せられました。他に3人からも要領を得た質問が加えられました。
そのインタビュー動画を見た受講生の声が、大型連休明けに、担当の先生方から届けられました。それぞれ実にしっかりとした文章で、自らの考えや思いを的確に書いてくれています。中には、「当たり前」を疑い、思考や行動を自動化せず、頭のストレッチを続けてほしいということを話したせいもあるのか、「昼休みの時間確保には学生の工夫する力、自主性を問う隠されたメッセージがあるのではないかと推測しました」というような実に穿った魅力的な意見もありました。
大型連休中に青森県三沢市の寺山修司記念館を訪れてきました。その常設展示の解説として、同館の公式ウェブサイトには、寺山の自伝的映画『田園に死す』の主人公の次のような台詞が紹介されています。
その晩遅くなってからわが家に火事があり、近所の家まで焼けてしまった。警察では漏電だといったが嘘だった。ほんとはおれが机の引き出しにかくしておいた一匹の蛍が原因だったのだ。
淡々と事実が順に説明された文章のようですが、読み終わってから、その内容がやや異常なものであることに気づきます。
このように、文章には大きく二つの機能があります。一つは事柄を説明し、何かを伝えようとする機能、もう一つは、内容とは別に、たとえこの世に起こりえないことでも創り出す機能、いわば虚構の機能です。
「一匹の蛍が原因だったのだ」。
ここには物語が出現する瞬間が、実に見事に示されています。
ぜひ皆さんも、言いたいことを正しく説明する文章力と、表現自体によって何かを創り出す楽しみとの両方を意識しながら文章を書いてみてください。きっと、不思議な力に満ちた文章を書くことができると思いますよ。
インタビューをする学生3人
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