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2022.07.19

2020入学世代

 今年度の3年生は、covid-19の蔓延が始まった2020年4月入学です。私が学長に着任したのもこの年でした。一方的ではありますが、この学年の皆さんには、この間の新型コロナウィルスによる騒動を同時進行で体験した、いわば同志のような連帯感を感じます。
 この「2020入学世代」の学生たちにはある共通性が認められるようです。それは、ある種の焦燥感とその裏返しの高揚感のようなものです。

 先日、ブダペストで行われた世界水泳選手権において、アーティスティックスイミングの女子チーム・フリーコンビネーション種目で銀メダルを獲得した、社会学部3年生の川瀬由華さんが、巽樹理先生とともに、学長室に報告に来てくれました。ずしりと重そうな銀メダルも見せてもらいました。10人で泳ぐ競技ですが、本来のレギュラーメンバーの一人が出場できなくなり、急遽呼ばれたとのことでした。普段から同じルーティンを泳いでいたのか訊くと、呼ばれてから合わせたとのことで、これにはびっくりしました。いかに普段日常の過ごし方が大切かを思い知らされました。彼女の視線は、来年福岡で行われる世界水泳選手権に既に向いています。

 以前にも紹介した社会学部の舞台表現プロジェクト「STEP」の川島武士君、石橋凜さん、牧原葉月さんと、主演の山下優哉君が、横田修先生とともに、「鼻曲がりと言われた少年」の公演とクラウドファンディングの成功の報告に学長室に来てくれました。4人とも3年生です。次の公演は、学内のみならず、以前のようにさまざまな「場所」を廻って行いたいとの希望を聞かせてくれました。

 先日、とある縁で学長室を訪ねてきてくれた社会学部の仲井亜美さんも3年生です。この夏はようやく積極的に活動することができるので、インターンシップやボランティア活動など、いろいろなことに挑戦したくてしかたがないとのことです。柵の中から解き放たれた魚のような意志を見せてくれました。

 いよいよ今年からは何かを精一杯、というこの「2020入学世代」の皆さんの高揚感は、とても大切なものだと思います。弓の撓みは強く矢を放つためのものです。この2年間で決定的に失われたものなどありません。
 皆さんの挑戦を応援します。長く大きく撓んでいた方が、勢いよく世に出ることもできるはずですから。

銀メダル獲得を報告した川瀬由華さん

STEPの学生らと真銅学長

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