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2020.07.22

「課題」との向き合い方

 春学期の授業期間が終わりました。開講当初からの突然のオンライン授業化にも関わらず、よく頑張って取り組んで下さいました。おかげで本学は、学年暦を変えることもなく、補講のために夏休みを減ずることもなく、次の段階へと進んでいくことができます。
 オンライン授業には二つのタイプがあります。一つは、WEB会議システム等を用いた同時双方型の授業。もう一つは、パワーポイントや映像、解説音声などと課題のやりとりを組み合わせたオンデマンド型の授業です。もちろんこれらの組み合わせの変種は無限です。

 授業アンケートで、本学のLMSであるWeb Classを用いた授業について多く寄せられたのが、課題についての意見でした。とにかく課題が多い、課題のためにだけオンライン授業に出席しているようだ、などというものです。
 このことは、オンライン授業自体の「課題」として捉えることができます。

 先日、経済学部の櫻庭千尋学部長から、OE50特別プログラムの「企業組織の実例課題」のお話を伺いました。ある大手企業が、新型コロナウィルス感染症の蔓延終結を唯一目的として、知的財産権の権利行使を一定期間行わない、と宣言したが、これによって同社が得る利益と損失を考察しなさい、という課題です。
 平たく言えば、本来損するはずのこのような施策で、企業が何か得する点があるのか、を考えさせる課題です。学生たちの作成した考察結果のスライドも見せてもらいましたが、答は多岐にわたり、示唆に富み、秀逸なものも多数含まれることが素人目にも明らかでした。

 このような課題は、社会における「課題」に目を向ける絶好の機会ともなります。
 社会的な「課題」に気づくこととは、何かをきっかけにして、意識的に見つけ出す場合がほとんどです。授業の課題設定は、その訓練のための最たるものです。

 身近な課題にただ取り組むだけではなく、そのことをきっかけに、社会的な「課題」を発見し、さらには、あえて「課題」を作り出すような働きかけを社会に対して行うこと。もしそのようなことができれば、社会の見え方は劇的に変化するはずです。

 この春学期の体験を、皆さん、よく覚えておいてください。「課題」の種がたくさん落ちているはずです。

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