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2022.07.12

世界との関わり方

 そろそろ春学期も終盤です。105分13週の学年暦導入の一つの狙いは、休暇期間を長くすることで、留学や長期インターンシップ、ボランティアなどのさまざまな活動に注力する皆さんの機会と時間を確保することです。
 今年はようやく海外プログラムが再開されます。先日、国際学部1期生6名が、アメリカ合衆国のペンシルバニア大学へ4週間の短期語学留学に出発しました。2019年度と比べると、まだまだ人数は少ないのが現状ですが、多くの学生に、日本という狭い範囲だけではなく、確かにこの世界の中で自分が生きていることを実感してほしいと願っています。

 本学は、開学以来、多くの国の留学生を受け入れ、また多くの国に学生を送り出してきました。とりわけ古くから関係が深いのが、インドとオーストラリアです。
 先日、在大阪・神戸インド総領事のニキュレーシュ・ギリ氏が、総持寺キャンパスに来られました。図書館を中心にご案内し、建物や施設へのお褒めの言葉をいただきました。
 その翌週には、オーストラリア大使館の政務担当公使のクレア・エリアス氏が、安威キャンパスに来られました。本学には、オーストラリア・ライブラリーやオーストラリア・アジア研究所があり、豪日交流基金により、オーストラリア政府外務貿易省から、デジタルアーカイブなどに対して助成も受けています。
 いずれの国とも、とても大切な関係です。ぜひこの二つの国にも関心を持ってほしいと思います。

 ただし、海外に行くことだけでは、真の異文化体験とはいえません。どれだけ体験を自分のものにするかは、その関わり方にかかっています。
 「赤ゲット」という言葉があります。明治時代に、東京見物に来る地方の人が、よく赤毛布を外套代わりに巻いていたことから、「田舎者」を蔑む言葉として生まれ、後に、当時珍しく洋行に出かけて、チップなどの習慣を知らず、恥をかいた人などを指して呼ぶようになりました。
 我々が世界と正しく関わり合うためには、表面的な数少ない体験で異文化の性格を決めつけるようなことはやめて、真の姿を見据えなければなりません。

 留学に限らず、この長い夏休みを生かし、何でもいいので、新しい体験に挑戦してみてください。羨ましくも、皆さんには、本当にたくさんの時間と可能性があるのですから。

在大阪・神戸インド総領事のニキュレーシュ・ギリ氏

オーストラリア大使館 政務担当公使のクレア・エリアス氏

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