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2024.05.17

「自分を愛する」ということ

 今年の大型連休は、前半と後半に分かれていましたが、学生の皆さんには、何か新しい体験や発見はありましたか。
 大型連休前、「追手門アイデンティティ」という授業の「学長と出会う」という教材用のインタビュー動画収録のため、仲田彩佳さん(地域創造学部4年)、阪口晃太さん(経済学部3年)、上條夏葉さん(心理学部2年)、大角司さん(地域創造学部2年)、谷渕愛梨さん(地域創造学部4年)の5人が学長室に来て、主に仲田さん、阪口さん、上條さんの3人から質問を受けました。
 「自分のアイデンティティを知る」方法や、「ゴールに向けて計画を立て、それを実現する」秘訣など、何らかの指針を求める質問が多くあり、彼らは上級生の立場から、特に1年生のために、それらに関する不安を払拭してあげたいようでした。自分たちを含め、「失敗を恐れて挑戦できない」学生が多いという話も聞きました。
 私は、それらの答えの前提として、少し目先を変えて、「自分を今以上好きになること」「自分を愛すること」という言葉を選び、伝えました。大好きな自分が決めたことなら、失敗しても後悔の念は低減されるはず、との思いからです。
 連休中、担当の先生方から、この動画を観た学生の感想を送っていただきましたが、かなりの学生が、この「自分を愛する」という言葉に好意的に反応してくれていました。
 補足しますが、「自分を愛する」という言葉は、ここでは、いわゆる「自己愛」や「ナルシシズム」とはやや異なった意味で使っています。「自己愛」は、行き過ぎると、称賛されたいという思いが強くなりすぎ、現実との差に悩む原因にもなりかねません。そうではなく、先ずあらゆる判断や決断の基準の大元に、大好きな自分の考えを控えめな自信とともに置いてみよう、というほどの意味です。もちろん、この判断や決断の精度を上げるためには、「学び」が必要です。
 『新字源』に拠りますと、「愛」という字は、もとは「ひっそり歩く」という意味だったようです。
 過去を振り返らず、反省はしても後悔はせずに、ゆっくりでいいので、自らの考えで歩き続けること。大抵のことは、笑顔と時間が薬となって解決してくれます。
 新しい体験や発見に向けて、引き続き歩き続けてください。

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