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2025.11.07

日々の区切りと再出発

 今年の学園祭は、11月2日と3日に、初めて総持寺キャンパスのみで開催されました。例年以上に盛り上がったようです。第59回目の今年のテーマは、「我夢者楽Re:Start~夢を描く、新たな一歩~」です。今年から名前も追祭(おいさい)と変わり、いろいろな意味で、restartの学園祭となりました。
 学園祭実行委員長の帆足光太郎君を中心に、実行委員会が掲げたこのテーマは、大学が合わせて「第二の開学」と呼ぶ、総持寺キャンパスのアカデミックベースの運用開始と、本学初めての理系学部である理工学部の開設という動きとも響き合っています。来年は大学創立60周年でもあり、還暦という十干十二支が一周りして最初に戻ることにもかけています。

 我々はよく、何周年かの記念日を祝ったりします。毎年、結婚記念日や創立記念日はやってきますが、中でも0や5がつく年にはより特別感を持ちます。おそらく、ただ漫然と繰り返される毎日について、敢えて区切りを見出すことにより、時の流れにメリハリをつけたいものと思われます。
 再出発は、英語では他にfresh startともいいます。「新たな気持ちの一歩」という感じでしょうか。また、ジョン・レノンの生前最後のシングル盤「Starting Over」のタイトルも、ポジティブなやり直しの意味です。

 大阪中之島の湊橋南詰に、芥川賞作家で本学1期生の宮本輝さんの小説「泥の河」の文学碑があります。小説の舞台に建てられたもので、この碑の保存会15周年記念事業が、10月19日に開催されました。
 著名作家である宮本輝さんにはめったにお目にかかることはできません。しかしながら、15周年ということで、今回も快くご夫妻でご臨席くださいました。天満橋八軒家浜から中之島湊橋まで、ぽんぽん船クルーズを楽しんだ後、懇親パーティーでした。
 このパーティーに、現代社会文化研究科の修士課程1年の柚木愛美さん、文学部4年生の田中偲月君、文学部3年生の坂田星光さんが参加して、宮本輝さんにインタビューするという企画を設けました。3人は、宮本輝さんと親しく話す、とても貴重な機会を得て、緊張しつつも頑張って準備をしてくれました。これも周年という区切りのもたらした僥倖です。

 小さなことでも、日々、restartを意識すれば、それが特別なものになり、ものの見え方が変わると思います。お勧めします。

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